【HxH】私の捕食対象は。4【キルア】

ゼパイル ページ48

接合した接着剤を火で炙ることで溶かし、中身を摩り替えてからもう一度つける技術

”ヤキヅケ”


開けた本物の木造と、既に安物の宝石とすり替えた中身を一緒に晒す

“ヒラキ”


切り口とは別に新しい穴を開け、中身をすり替える技術

“ヨコヌキ”


「ふうー、すごい世界観だね」


『でも、ゴンにはこういう世界は向いてないかもね


騙したり騙されたり、物や人を疑ってかからないといけないなんて』


「確かにそうかもなー」


―――ピルルルルル


その時、ゴンの携帯が鳴った


・・・まさか


「蜘蛛が？！」


あのメンバーがそんなに簡単に見つかるはずが・・・


まさか、自分たちを探っているマフィア連中をターゲットにした罠では？


嫌な予感がする


その罠に、みんながかかってしまったら・・・命はないだろう


「行こう！！！」


『ゴン、本当に行くの？』


私の質問にゴンは強く頷く


『・・・キルアも？』


「ああ


心配ならちゃんと見てろよ


何も無いとは思うけどさ


じゃ、先行くぜ！」


駆け出す2人


「おい！！競売はどうする気だ？！」


『ゼパイルさん、競売は任せてもいいかな・・・


あの2人、危ない事をするかもしれない


私が守ってあげなくちゃ』


「・・・おい嬢ちゃん、そんな泣きそうなツラで男2人を守るって言ってもなぁ


本当に守れるんならオレは止めねえよ


この品物はオレが預かってていいんだな？」


『うん』


「このままこれ持って逃げるかもしれねぇぞ？」


『私たちを信じたゼパイルさんは


私たちが信じたゼパイルさんは


そんな事しない！




だから、出来るだけ高く売って


信じてるから！


私、行ってくる』


Aはそう言うと、近くの民家の屋根に飛び乗り、そのまま屋根伝いに走り抜けて行った


「よっしゃ任しとけ！


しっかりな！嬢ちゃん！」


背中にゼパイルさんの声を受けながら、Aは2人の元へ全力で走った


―――――



『よっ、良かった！


まだいた！』


「「「A！！」」」


Aがみんなと合流できたのは、もう情報提供者にお金を振り込んだあとだった


「今から向かうところだったんだ！」


私が何を言おうと、みんなの意思が変わらないことくらい分かっている


だから



『みんなに、お願いがあるの』

接触→←ゼパイル

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す