私のクラスの不登校くん。 (ページ39)

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＿＿数十分後。緊張などを持ちながらなんとか登校し終えた。
涼を見ると、クラスの男子と一緒に教室へ向かっているのがわかる。私も教室へ向かおうとすると、後ろから誰かに抱きつかれたことがわかる。

「A、おーはよっ！」

犯人は文実だった。
文実はなんだか、いつものような笑顔ではなかった。いつもより眩しいような笑顔だった。

「やっぱり今日が楽しみすぎるの？」

「せいか～い！」

文実は両手で大きな丸をつくって、上機嫌で言う。
今日と明日、文実が大変なことになるかも…

教室に行くと、既に先生は教卓に立っていた。
一瞬、遅刻してかと思ってびっくりしてしまった。

それからだんだん教室に人が集まってきて、朝の会が始まる。

「はい、今日と明日は宿泊研修だ。くれぐれも怪我はないようにしろよ。んじゃ、バスに乗っていくぞ」

先生はいつもより手短に言うと、昇降口に向かい、バスに乗りに行く。
4号車まであって、1クラス1台に乗っていくようだ。私のクラスは3組のため、3号車に乗る。

「A、隣座ろ！」

文実は言う前から私の隣に座っていた。私は『もう座ってるじゃん』と笑いながら言う。
そう言っている間にバスはゆっくり動いていった。

「わわっ、ついにバスが動いた！楽しみ～！」

文実はまるで小学生のようにはしゃいでいる。数週間前から文実の“楽しみ”と言う言葉を数えきれないほど聞いていたから、もう聞き飽きてきてしまう。