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「くっそ、あの後藤め…彼奴ふざけてやがる…」



放課後。教室で愚痴を言いながら紙をホチキスで留める。
私は保護者会で使う資料をつくってほしいと頼まれ仕事をしている。まぁ、私が本当は独身の先生にそんなこと言ったからこんなことになったから仕方がない。
しかし……量が多い…山積みに重ねられた紙をたくさん渡され、それは学年全員分と言う…さらに、これを今日中に終わらせろって…



「無理に決まってるでしょ…」



文実に助けを求めようとしたが、美術部のコンクールの絵を描くため断られた。涼は…今朝のこともあって求められなかった。



今は4時10分を指している。まだまだ資料はたくさんある。今日までに絶対終わらない…



「お前大丈夫かよ…」



急に後ろから声がして作業する手を止め、後ろを振り向く。
すると、そこには壁におっかかって腕を組む、荒木の姿があった。



「これを見てなんとも思わない?大丈夫な訳ないでしょ?」



私はまた作業する手を進めた。
『確かに多いな〜』と言いながら私の隣に座る。



「何する気?」



私は荒木に聞くとバッグからホチキスを取りだし、資料を留め始めた。



「あんた何して…」



「今日中に終わらすんだろ?俺も手伝う」



「良いよ。早く帰りたいんだろ?」



図星で何も言い返せない…
言い返せないでいると、『だったらさっさと終わらせようぜ』と言い、手を進めた。


 
 

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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2019年10月21日 21時

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