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涼side
Aを置いて教室に着くと、すぐに屋上へ向かった。
屋上に着くと、肌寒い風が肌に当たる。
「もう来てたんだな」
後ろを向くと、スクールバッグを持って仁王立ちをしている翔也の姿があった。
「別にさっき来たし…翔也こそなんなの」
「いや別に。お前、昨日Aと一緒に歩いてただろ。同じ部活の奴が見かけたらしい」
「ふーん…」
屋上の柵で頬杖をついて喋る翔也に、俺は適当に相槌をする。
「でさ、本題に入るんだけどさ…
お前俺の好きな人取りすぎじゃね?」
翔也の好きな人……
まぁ、確かにな……
「別に取ってる訳じゃねぇよ」
俺は腕を組んでそう答える。
「小学生の時に好きだった奴も笹川に取られたしな」
「彼奴から近づいてきただけだ」
「じゃあ、Aも近づいてきただけだって言いたいのか?」
翔也からAについての質問で、一瞬世界が止まったように感じた。
Aのこと…?そんなの決まってる。
「俺は……
Aのことが好きだ」
今、俺に向かって強い風が吹いてきた。
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2019年10月21日 21時