十六話 ページ16
上杉side
俺は二人を探した
どこにいるのか分からなかったから、沢山の場所を行ったり来たりして、ようやく二人を見つけた時は、そりゃあもう嬉しくて嬉しくて
やっと立花に謝れる
もしかしたらこれは、俺が立花に近づけるチャンスなのかもしれない
そう思っていた
だから、すぐに近づこうと思って、公園の入口に走ろうとした
だが、ちょうど二人にはわからないけど、俺からは二人がバッチリ見える真横の場所で、足を止めた
いや、止まった
立花の横顔が見えたから
正確に言えば、立花の瞳が見えたから
キラキラと光る大きな瞳
地毛なのか疑ってしまいそうになるほど長いまつ毛
昔から変わらない綺麗な瞳
だけど
その瞳の名前を俺は知っている
だって、今までずっと見てきたのだ
若武。黒木。小塚。美門。七鬼。砂原。片山。
そして、俺
その全員が立花に向けていたあの瞳を
『愛する何かを見つめる瞳』
それを立花は、結城に向けていた
それを見た瞬間、塾で女子達が話していた戯言のような話を思い出した
『最近ドラマで見たんだけどさ、仲がすごい悪い男女が、最終的には恋人となるっていう話なんだけどね
凄く羨ましいなと思ったんだー
お互いの悪いところを知っているのに好きになったってことはさ
その人の全てが好きって言っているようなものじゃない？』
俺は唇を強く、血が出るほど強く噛んでから、そこからあてもなく走り出した
なぁ立花
俺にもしあの場で話しかけられる度胸があったなら
俺にもしあの瞳に気づかない鈍感さがあったなら
俺にもし、立花を好きだという感情がなかったら
俺は今
｢っ……！くそっ…！｣
こんな惨めに涙を流さずに済んだのか？
『その瞳の名前を俺は知っている』
開幕
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未麗 - びっくりするくらい面白いです！ (2022年3月13日 21時) (
レス) id: 662d0a9b46 (このIDを非表示/違反報告)
春 - この作品大好きです。更新頑張ってください! (2021年10月24日 17時) (レス) @page21 id: 1a52a06ab6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - この作品好きなので更新待ってます！ (2020年5月9日 21時) (レス) id: 62402bd543 (このIDを非表示/違反報告)
世羅 - 少し彩の性格と口の悪さが・・・だけど新鮮で面白いです (2020年4月5日 21時) (レス) id: 635a6689c3 (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん - とっても、おもしろいですね！もう更新しないのですか？悲しいです。。。私は、更新待ってます！頑張ってくださいね！ (2019年11月22日 19時) (レス) id: 65a8024b6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：私の番です | 作成日時：2019年9月28日 16時
