十五話 ページ15
上杉side
俺は家に帰るという事が嫌だった
だから今日だけ、母親に嘘をついてブラブラ散歩してたんだ
そしたら、男の集団が何かを隠すように、路地裏へ入っていった
俺は大して何も思わず、そちらを見向きもしないでそこを通り過ぎた
だけど
その後、善意が動いて、俺はその場に戻ったんだ
そしてそこを見たら、そこにはさっきまで一緒にいたうちの二人がいた
怯えつつも何がどうなっているのか分からないという顔をした立花
そして、その立花を抱き寄せ、そのチンピラ共に威勢を張っている結城
挑発され、そのタイミングで逃げ出した
俺はすぐに隠れたので、バレなかっただろう
でも、行動は冷静でいても、心が落ち着いていない
なんで二人が今も一緒にいるんだ？
どうして結城は犬猿の仲である立花を助けたんだ？
…そんなことよりも
どうして俺は立花を助けなかったんだ？
たとえそれが立花じゃなくとも、たとえそれが人じゃなくとも、助けるべきだったんじゃないか？
前は誰でもなんでも助けるなんて馬鹿らしいと思っていた
だけど、立花と関わりを持つようになってからだろうか
誰でも無鉄砲に助けたって、いいかなと思い始めたのは
それなのに、そう思うきっかけになってくれたのに、
俺はなんで立花を助けなかったんだよ…！
『仲間』である『何年もの付き合いの俺』
『犬猿の仲』である『数日間の付き合いの相手』
助けたのは、『仲間』じゃなく『犬猿の仲』だった
本当にあれが助けていたのかわからない
でも俺は、やるべきだったんだ
立花を…いや、他人でも、助けということを
それを立花が、その素晴らしさに気づかせてくれたんだんだから
｢…謝ろう｣
そう決めて、俺は結城と立花を追いかけた
その決意が、パンドラの箱とは知らずに
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未麗 - びっくりするくらい面白いです！ (2022年3月13日 21時) (
レス) id: 662d0a9b46 (このIDを非表示/違反報告)
春 - この作品大好きです。更新頑張ってください! (2021年10月24日 17時) (レス) @page21 id: 1a52a06ab6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - この作品好きなので更新待ってます！ (2020年5月9日 21時) (レス) id: 62402bd543 (このIDを非表示/違反報告)
世羅 - 少し彩の性格と口の悪さが・・・だけど新鮮で面白いです (2020年4月5日 21時) (レス) id: 635a6689c3 (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん - とっても、おもしろいですね！もう更新しないのですか？悲しいです。。。私は、更新待ってます！頑張ってくださいね！ (2019年11月22日 19時) (レス) id: 65a8024b6b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：私の番です | 作成日時：2019年9月28日 16時
