7.廃ビル(3) ページ8
乙骨side
見知らぬ女性の言葉に警戒心を強める。
「"今は"ってことは、今後は的になるかも知れないと言うことですよね?…って聞いてます?!!」
人が真剣に話してるというのに、いきなり紙袋の中をガサガサし始めた。
『うわ、落としたせいでグチャッてなっちゃったじゃん』
どーしよーとか言いながら紙袋の中身を出している。
「あのー…もしもーし?」
僕の声に聞く耳を持たずせっせと何かを畳んでいる…ん?畳む?
チラッと見えたのは白い服の様なものだった。
『あ、ごめんね。乙骨君に一つお願いされて欲しいことがあったんだ』
「その前に貴方は何者ですか?それに、さっきの攻撃…この壁と同じような物ですよね?真希さんは…」
『ストップストップ!一つづつ答えるから…えーっと、名前は羽衣A。この壁は私の術式。もう1人の眼鏡ちゃんは無事だよ。雑魚どもを狩ってるわ』
案外あっさりと教えてくれた。
殺気もない。
どんどん近づいてくる羽衣Aという人。
コツコツ、とヒールの音がする。
僕は見惚れることしか出来なかった。
漆黒の長い髪が歩くたびに揺れている。
『これを、五条悟という人に渡して欲しいんだけど、お願いできる?』
差し出されたのは先ほどの紙袋。
「…これはなんですか?」
『変なものは入ってないから大丈夫よ。必ず、本人に渡して欲しいの』
少しグレーがかった二つの瞳が僕を捉えて離さない。
見ず知らずの人で、しかも危なそうな人からの荷物なんて、危険物が入っていたらと思うのがセオリーだ。
なのに、僕の体は勝手に動いていた。
本能で羽衣さんを信じてしまった。
『信じてくれて、ありがとう。あともう一つ、伝えて欲しいの… 約束、守れなくてごめんって』
「それって…貴方は五条先生の何なんですか?!』
『そっか、悟は先生なんだもんね、なんだか不思議』
悟と呼ぶ羽衣さんは口元を隠しながらクスリと笑った。
この人はわざと話を逸らしているのか?
『お願いを聞いてくれたお礼に、一つアドバイスしてあげる…呪力は自由よ。頭は柔らかく、ね?』
"それじゃあ、またね"
そう言い残して、羽衣さんは消えて行った。
それと同時に七色の壁が消えた。
「なんで僕の名前知ってたんだろ…」
1番聞きたかった事を聞きそびれてしまった。
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yoku(プロフ) - 鬼滅より呪術派さん» 私もどちらかといえば呪術派ですね😚 (2022年12月24日 23時) (レス) id: 39058f50de (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅より呪術派 - (゚∀゚)アヒャ (2022年9月13日 10時) (レス) @page10 id: e04f466ec6 (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» 登録、させていただきました!!!私も更新、楽しみにまってます! (2022年6月6日 23時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - yokuさん» はい! 題名は、《呪術廻戦》孤独な愛情と言います。 (2022年6月6日 16時) (レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
yoku(プロフ) - 花梨さん» そう言っていただけるととても嬉しいです!!はい、ぜひ読ませて頂きたいです!!! (2022年6月6日 9時) (レス) id: ea5a80f8a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yoku | 作成日時:2022年5月29日 22時