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shp side
俺が目を開けた時、彼女は幸せそうな笑顔のまま寝ていた
だいたい1年も…眠れてなかったんや。相当辛かったはずなのに…気にしないでいいの一点張り。
そっと頬に手を添える
そして口付ける
もう二度と開かないその瞳
もう…話してくれない
助かる見込みなんてないのに119に電話をする
救急車を呼んだが、もう助からないことは知っている…と。
彼女はようやく眠れたのだから、起こさないようにサイレンを鳴らさないように言った
Aは…
致死性家族性不眠症というものだった
これは確実ではないが遺伝してしまう
だから…俺との子を作ることを拒んだ
子供に辛い思いをさせたくないからと言っていた
つまりAは辛かったんやな…
家の鍵は開いている
ドンッ!と音がして恐らくクソ先輩が来た
「どういうことや!?なんでAが…」
大股で歩いてきたコネシマさんの唇に指を置く
黙れと言いたかったが、Aの前だから言えない
「静かにしてくださいよ…今やっと…Aは眠れたんですから…こんなに幸せそうに…でももう…ここにはいないんです…
辛かったよな…苦しかったよな…頼りなくて…本当にごめんな…ゆっくり休んで…」
大粒の涙がこぼれ落ちる
心の無いコネシマさんだけど、今は空気を読んでくれた
彼女は遺書などを書いていなかった
だが…部屋からは日記帳があった。
最初の方はまだ付き合っている頃
そして…死ぬ前の日まであった
幸せだとか、ショッピ君と付き合えて本当に良かったとか…そういうことがあった
結婚後の日記には、眠れないことへの恐怖が綴られていた
"もう二度と眠ることが出来ないのかもしれない
眠れないということは、次寝た時が最後の睡眠、即ち死を意味するかもしれない
本当はすごく怖い。まだ死にたくない
死んだら1人になる。ショッピと別れたくない…
でも毎晩抱きしめて寝てくれるから安心するの
ショッピには悪いけど…コネシマさんにFZ連れてくよう言おう。私以外の人と結婚して…こどももいて…確かに嫌だけど、そっちのが幸せなはずだよね。
なんて醜いんだろ…こんな心なければいいのに…"
これは…Aの本当に思っていたこと…?
何だか心がスッキリした
初めて、本音が知れた
本当は怖かったんやな…
それに…少しでも安心して安らかに逝けたのなら…
それ以上に安堵したことはない
ほんまに…ありがとうな、愛してるでA
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ライ - 小説で泣いたん初めてかもしれん……。 (2020年9月25日 21時) (レス) id: 3f20e55985 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。@str48&変人系カップル&低浮上中(プロフ) - あれ、、、目から天然水が。。 (2020年8月21日 19時) (レス) id: ac2334f46f (このIDを非表示/違反報告)
みどり - うう(´;ω;`)やべえよ(語彙力よ) (2020年2月16日 22時) (レス) id: ae6be26781 (このIDを非表示/違反報告)
mind(プロフ) - くいなさんの小説、短時間で読めて内容も充実していてとてもすきです!私もストレスでよく寝れないので、夢主ちゃんと自分が重なって見えました笑笑良かったら教授さんの小説作ってくれたら嬉しいです! (2020年2月14日 1時) (レス) id: 70c0107070 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くいな | 作成日時:2020年2月13日 7時