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お風呂に入って、丁度明日の仕事の確認をしているところだった。
コンコンと扉をノックする音が聞こえた

「俺だよ」
「わぁ、兄さん!あれ、今日は皆にお話をしてるんじゃ……?」
「それは明日。
それより渡したいものがあってきたんだけどね」

ちょっと、手を出してくれる?と言われて片手を差し出すとすぐさま冷たいものが腕に引っかかる

「わ、あ!綺麗なブレスレット!」
アメジストだろうか、それよりも深い紫がキラキラと光に反射して小さく輝いている
その中でも一際大きい四角形の宝石は白や色んな虹彩を放っている

恐ろしいので値段は聞かないことにした。

「私も!プレゼントがあるんです」

そう言うと意外だったのか兄さんは少し目を見開いた。手にそれを押し付ける

「開けてみて」

しゅる、とリボンのほどける音に私は逆に緊張する。気に入ってくれるだろうか

「これジッポじゃん。しかも犬がいる、可愛い」
「気に入った?」
「めちゃくちゃ、ありがとう」

それは良かった!はあ、これで安心して寝れるなあ!
ボフンッとそのままベッドに飛び込んだ。安心とともに眠気も私の意識に介入する

「……ッこれ」

何かに気づいた兄さんは、私を見てズカズカと寄ってくる…え、あれ?私何かし
「随分大胆だな」
「えっ……?アアッ!?や、」
ガリ、と強く首筋を噛まれる。いたい、いたいけどまた毒が流れてくるのがわかる。
じわじわと感覚が狂っていく。以前よりあつい、あつくてとけそうだ

「メッセージカードからそういう匂いがするんやけど……??これどこから貰ったん?」

て、店主ーッ!!

「ちがあっ…!ん、あ、ほん、とに
は、はふ…う………」

ぼろぼろと生理的な涙が溢れる。むりだ、この前よりも格段に毒の力が強い。身体のどこにも力が入りそうにない。

「も、もお…すき……に…………」

諦めた。いやもうどうにでもなれという感じだ。
言い訳のしようがない。確かにメッセージカードからいい匂いがするなあとぼーっとしてたがそんな匂いだなんて知らなかったし

「……全く、今度はナシやぞ。
Aはこんなこと知らんと思うから。
でも俺は据え膳見逃すほど甘い男じゃないって覚えといて。」

ぽん、と頭を撫でられて扉が次にバタンと閉まった。



頭がグラグラして、正気ではない。


「鍵かけて、寝よう」




カチャリと鍵をして扉の前に椅子を置いた。

初めてのプレゼントが災難すぎた彼女であった。



____
リクエストありがとうございました

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アリス - お疲れさまでした。とてもよかったです、これからも頑張ってください!!! (2020年10月4日 15時) (レス) id: 48980b5e27 (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - だーーっ!!((番外編は結構甘々で面白かったですぅ…もう10周してきます!! (2020年5月25日 13時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとるしか(プロフ) - どうしてもまたこの作品が読みたくなって、夜中サイト内を探し回り漸くたどり着きました…!!本当に大好きです…名作…!!何度も読み返したくなる素敵なお話を書いて下さり、本当にありがとうございます…(;ω;)また最初から読み直したいと思います!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: 1ba63f4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
倉崎(プロフ) - ふぃやぁ!!!感動しました。お疲れ様でした!!!! (2019年6月30日 19時) (レス) id: 27aa211cd5 (このIDを非表示/違反報告)
山内優菜(プロフ) - 完結お疲れ様でした!これが最後なのが残念です(TT)ありがとうございました! (2019年6月28日 20時) (レス) id: 6807067b24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:根無し | 作成日時:2019年6月9日 12時

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