7パック目 ページ18
茂みを歩く。
高く長い草が私の足をくすぐる。
それらを掻き分けて私は、『また』タオルを探していた。
もちろん1人ではない。
「ごめんね、ロボロ」
「ええって、確かに今日は風強いもんなあ」
ビュォと風がまた私たちの間を通り抜ける。
彼の雑面からちらりと桃色の瞳が見えた
「わ！ロボロって可愛い瞳の色してるんだね」
思ったことを素直に言うと、なんだか少し複雑そうだ
「そおか？なんか、うーん。俺はカッコイイ！って言われたいんやけど」
「カッコイイよ？」
「いや！嬉しいけどそうじゃないねん」
嬉しいのか。話を一時中断してまたガサガサとタオル探しに専念する。毎回どこまで飛んで行ってるんだろう。
「みつからんなあ。みんなにも探してもらってるんやけど…うーん」
ロボロがいうみんなは彼の眷属のコウモリたちのことだ。とても誠実で彼思いで可愛い。この前もキュッキュッといいながら私の上を円を描いて飛んでいた。
「少し休憩しよ。」
幸い、前みたいに真っ暗になるほど深いところには来ていないようだし。
「そうしよか。俺少しお菓子持っとるしあげるよ」
「え！いいの？」
「おん、ほらそこの岩に座って」
そこ、と指さされた場所に掛けると彼はふわりとハンカチをそこに敷いた
紳士だ…………すごい。
ありがたくそこに座らせてもらうと、ロボロはちょこん、と隣に座る。どこからか取り出したカゴにはラスクが入っていた。
「トントンがタオル探しに行く前にくれたんやで」
「感謝しなきゃ！」
サク、と食べると甘くて香ばしいかおり。さすがトントン！
ストン、とロボロは1口ラスクを齧るとそのまま先に進んでしまう
「俺ひと狩りしてくるから、まっとってな」
いつの間にか手に装備された弓に驚く。彼もしかしてそういうポケットを持っているのでは？
そんなくだらないことを考えていたらラスクは残り2枚。
残っていた眷属の子にごちそうさま、と伝えて私はそこらへんの茂みをまた探し始めた。
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アリス - お疲れさまでした。とてもよかったです、これからも頑張ってください!!! (2020年10月4日 15時) (
レス) id: 48980b5e27 (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - だーーっ！！((番外編は結構甘々で面白かったですぅ…もう10周してきます！！ (2020年5月25日 13時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとるしか(プロフ) - どうしてもまたこの作品が読みたくなって、夜中サイト内を探し回り漸くたどり着きました…!!本当に大好きです…名作…!!何度も読み返したくなる素敵なお話を書いて下さり、本当にありがとうございます…(;ω;)また最初から読み直したいと思います!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: 1ba63f4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
倉崎(プロフ) - ふぃやぁ！！！感動しました。お疲れ様でした！！！！ (2019年6月30日 19時) (レス) id: 27aa211cd5 (このIDを非表示/違反報告)
山内優菜(プロフ) - 完結お疲れ様でした！これが最後なのが残念です(TT)ありがとうございました！ (2019年6月28日 20時) (レス) id: 6807067b24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：根無し | 作成日時：2019年6月9日 12時
