5パック目 ページ12
朝、タバコを吸いたくなってベランダに出た。
まだ太陽が顔を出していない少し明るい空。自分はこれくらいの明るさを好ましく思う。
すぱ、と空に灰色の煙があがる
「わ、ショッピくん煙草吸うんだ」
ハッとして後ろを振り向くとまだ寝癖がきちんと直せていない彼女がいた。
「え、あうん。俺吸うけど。しらんかったっけ？」
「勝手なイメージだけど吸ってないと思ってた」
「じゃあそれハズレです。」
ええっと本当に悔しそうな顔をするもんだから笑ってしまった。
そんなに残念か？
「まあ、結構吸う人いますよ。ウチ。」
彼女にそう言うと大層驚いた顔をした。
「えっ、私鬱先生以外吸ってるところみたことない。」
うわ、過保護や。めんどくさ、と心の中で愚痴ると彼女は俺の缶を見た
「ねえ、私も1本吸ってみていい？」
きっとただの好奇心だろう。初めて見たものを知りたがり欲しがる子供のように。
「俺のはクセが強いんでやめたほうがええで。あと他の人らにバレたらめんどいからだめ」
例えば、グルッペンとかトントンとかゾ……
「俺とか？」
「そうです」と出てしまいそうな言葉を飲み込んだ。いつの間におってん……
「あれ、ゾム早いね。どうしたの」
「おん！今日はなあ、遠くに行くことになってん！お土産とか買ってきたるけどなにがええ？」
遠いところ。ああ、そういえばグルッペンさんがそんなことを言っていた気がする。ん？あれ……
「移動手段どうするんですか」
「せやせや！ほんでショッピくん探しとったんよ！つれてって！」
「え？移動手段？何使うんですか？」
普通は馬車では？そう思うだろう。
俺にはバイクがある。だいぶ高かったがまあ長生きしてればいつかはたまるのだ。つまり貯金は大事。
「バイク、ですけど」
そう言って横に置いていたヘルメットを指さしても彼女ははて、と首をかしげた。
え、まさか
「なんですか、バイクって」
後日、俺とゾムさんで近くの海まで彼女をバイクに乗せて連れていくことになった。
その日、彼女に予定を聞けば「トントンの書類整理の手伝いだけど？」と言われてしまったので俺とゾムさんは死に物狂いで自分の分とトントンの手伝いをして、トントンから許可を貰うのであった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 739人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アリス - お疲れさまでした。とてもよかったです、これからも頑張ってください!!! (2020年10月4日 15時) (
レス) id: 48980b5e27 (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - だーーっ！！((番外編は結構甘々で面白かったですぅ…もう10周してきます！！ (2020年5月25日 13時) (レス) id: f89a326571 (このIDを非表示/違反報告)
ぺとるしか(プロフ) - どうしてもまたこの作品が読みたくなって、夜中サイト内を探し回り漸くたどり着きました…!!本当に大好きです…名作…!!何度も読み返したくなる素敵なお話を書いて下さり、本当にありがとうございます…(;ω;)また最初から読み直したいと思います!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: 1ba63f4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
倉崎(プロフ) - ふぃやぁ！！！感動しました。お疲れ様でした！！！！ (2019年6月30日 19時) (レス) id: 27aa211cd5 (このIDを非表示/違反報告)
山内優菜(プロフ) - 完結お疲れ様でした！これが最後なのが残念です(TT)ありがとうございました！ (2019年6月28日 20時) (レス) id: 6807067b24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：根無し | 作成日時：2019年6月9日 12時
