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「違うもん、そんなことないもん。」



「何が違う、だよ。お前らは捨てられたんだよ。」



私より背の高いやつに見下ろされ、まわりはやつの取り巻きに囲まれ。




「違う!お父ちゃんはそんな人やない!」



「うわっ、なにすんだよ!!」



お父ちゃんのこと悪く言われて、頭にきた私は、そこにあった草をむしって土も払わずそいつらに投げつけた。



もちろん、さっきまでとは比にならないほど怒ってしまって。



「お前…女だからって!」




目の前に手が飛んできた瞬間








「A!」





「げっ、またお前かよ…」



「なにやってんや、また。

…お前らも見苦しいぞ、女相手に男が何人もたかって。」




「お前には、関係ない!」



「…へぇ、そんなこと言ってええんや…。さっきそこでお前の父ちゃんおったし、言ってこよかな〜」



「な、それはあかん!父ちゃん怒ると怖いんや…」



「ならもう、しょうもない事で、Aのこといじめんなよ。

そしたら、黙っといてやるわ。」



「もうこんなこと、せんわ!」









「もう、また喧嘩しよう思てたんやろ、A。」



「うぅ、だってアイツらが馬鹿に」



「それでもお前は女や。男の力には敵わんの。

俺が来んかったら、どうなってたと思う?」




「…それは、」



「そやからもう喧嘩はしたらあかん。」




「うん。」




「わかったらええ。ほら、帰るぞ。」





あの時はよく分からなかったけど、それが私の初恋だったと思う。



おてんば娘で有名だった私と、反対に大人っぽくてなんでもできて私の保護者みたいだった彼。


私がピンチの時、いつも助けてくれていつも守ってくれて。




「ほんまにAは、俺がおらんとあかんのやな。」



「そんなこと…!!ないと思う…」



「なあ、A。前言ったこと覚えてる?」



「え…前ってなに…?」



「はぁ、忘れたんか…。

ならもう1回」



「A〜!ご飯やで、はよ帰っておいで。」



「はーい!お母ちゃん!

じゃあね、せーちゃん。また明日!」



「ちょ、今帰るか普通!?」






ずっとずっとこんな日々が続くと思ってた。


ずっと昔にした約束。


せーちゃんの嫁にしてもらう。っていう。






そうなると、ずっとせーちゃんと一緒にいれると思ってた。

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作者名:ゆう | 作成日時:2017年9月6日 19時

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