18話 ページ19
【夏油side】
片手に缶コーヒーを持ったAは、私の顔を見た瞬間何も言わずにコーヒーを私に向かって投げる。
｢…えーと、｣
｢やるよ。間違えたから｣
｢いや、…………ありがとう、貰っておくよ｣
いや、君いつもこれ飲んでるじゃないか。
そんな言葉は飲み込んだ。きっと相当酷い顔をしてたんだろう。Aの気遣いを無下にはしたくなかったし、私がいつも彼女を見てることがバレるのも恥ずかしかった。
｢夜中にコーヒーなんて寝れなくなるね｣
｢なら返せ｣
｢いや、頂くよ｣
本当はもう少し彼女の声を聞いていたいけれど、これ以上ここに居るのは迷惑だろう。
コーヒーを空けて｢これ、ありがとうね｣と声を掛け戻ろうとした私の手首を、Aの小さな手が力強く掴んだ。
意味がわからず見つめた先の彼女は、真剣な眼差しで一言。
｢私が、守るから｣
私が言葉を返すよりも先に、部屋の扉が閉まる。
守るって、誰を。まさか、私を？
私より弱いくせに何を言ってるんだ。好きな女性に守られるほど、私は落ちぶれてないんだけど。
そう思っても、溢れてくるのは彼女への愛おしさと、涙だけで。
たった一言のそれだけで、張り詰めていた心が解けていくのを感じた。
｢…あそこまで格好いいと、自信が無くなるな｣
どうせ彼女は1年前のあの日と同じように、今の言葉を忘れるのだろう。
それでも、きっと彼女は私を守ろうとするのだ。たった今、1年前の言葉通り私の喪失感や憎悪の感情を半分減らしたように。
｢…まったく、適わないよ｣
守られてばかりだ。1年前からずっと。
君が視界に入るだけで、生きているだけで、私の世界は輝いて見える。こんなこと言ったら、きっと君は｢気持ち悪い｣って顔を顰めるんだろう。悟にも笑われそうだ。
でも、それくらい私は。
｢私をこんな風にした責任は取ってもらわないとね｣
君に本気なんだよ。
だからこそ、分かっていたんだ。
『七海には、生きていて欲しいんだ。あいつは、生きて、隣で笑ってて欲しい』
『まーね。でも"好きな人"の代わりはいくらでも居るだろ』
君が私を、好きにならないことなんて。
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らぅ(プロフ) - 夢主イケメンすぎwww最高ですwww (8月8日 8時) (
レス) @page23 id: f9b0273b6d (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お友達のイラストもよわよわな夏油もつよつよの主人公も大好きでしたありがとうございました (2022年3月8日 3時) (レス) @page24 id: 3c352c4c7a (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 夢主ちゃんすごいかっこよかった！！これは惚れちゃうね！私も惚れました！ありがとうございます！！ (2022年1月17日 3時) (レス) @page22 id: 7f38ffe42c (このIDを非表示/違反報告)
お茶ん(プロフ) - チョット待って夏油サイコーすぎるWWW 五条に絶対普通に告った後のアピール用に金持ちラブ情報与えたのに、告る時点でのATMはもうネタじゃんWWW わらび餅さんサイコーですWWW (2021年8月30日 22時) (レス) id: f8c5dcff4c (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - あいりさん» あいりさんありがとうございます〜！夏油が惚れるのもわかる！と思っていただけるようなキャラにしたかったので、好きになってもらえてとっても嬉しいです〜！読んでくださってありがとうございました！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅。
| 作成日時：2021年3月6日 17時
