14話 ページ15
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私の気持ちも、私自身のことも大切にしていない。
硝子の的を得た発言に、言葉を返すことは出来なかった。
「あのクズの味方をする気は無い」
でも。
「今の夏油は、可哀想だ」
可哀想。夏油が。私の、せいで？
夏油がこれ以上苦しまないように、そう思って七海を守った。夏油の心を、これ以上黒くしたくなかったんだ。なのに、私のせいで夏油は苦しんでる？
「なんで、夏油が苦しんでんだよ」
「…あの日、夏油廊下に居たよ」
その一言を残して、硝子は廊下から姿を消した。
1人残された私は、呆然と空を眺めながら硝子の言葉を反芻する。
あの日がどの日を指すのか。恐らくは、私が目を覚ました、あの日、だろう。
その時私は何を言った？
『七海には、生きていて欲しいんだ。あいつは、生きて、隣で笑ってて欲しい』
『まーね。でも"好きな人"の代わりはいくらでも居るだろ』
ああ、そうか。
これが、夏油を傷つけたんだ。
もし夏油がこれを聞いたらどう思うのか。そんなことは想像に容易い。
『七海には生きて隣で笑っていて欲しい』なんて、まるで私が七海に惚れてるみたいな言葉であるし、その後に続く『好きな人の代わりはいくらでもいる』だって、だから他の人間を好きになれ、と言ってるようなもので。
暗に諦めろ、と言ったようなものでは無いか。
もちろん、私にそんな意図はなかったが、ここだけ切り取ってしまえば勘違いするのが普通だ。
「……誤解解かねぇと」
こぼれ落ちたそれに、思わず手で口を覆った。
なんで、解く必要があるんだ？
別に夏油が勘違いしたままでも私に損は無い。損は無いどころか面倒事が減っていいじゃないか。
振ったのにも関わらず懲りずに話しかけてきて電話までしてきて贈り物まで。それが無くなって、夏油と話さない日々に戻ったってなんの問題もない。むしろそっちのがいい。
だって私は、夏油の気持ちに応えるつもりなんてないんだから。
＿＿＿＿＿＿本当に？
じゃあなんであの時、私は夏油に大切な人を失って欲しくないと思った？
なんであの時、夏油だけ色づいて見えた？
なんであの時、弱った夏油のためになりたいと思った？
なんで今、誤解を解きたいと思った？
答えなんてもう、とっくに出ていた。
「……私も人のこと言えねぇな」
単純なのは、私もだ。
脳裏に1人の男を浮かべながら、その男の部屋をめざして走り出した。
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らぅ(プロフ) - 夢主イケメンすぎwww最高ですwww (8月8日 8時) (
レス) @page23 id: f9b0273b6d (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お友達のイラストもよわよわな夏油もつよつよの主人公も大好きでしたありがとうございました (2022年3月8日 3時) (レス) @page24 id: 3c352c4c7a (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 夢主ちゃんすごいかっこよかった！！これは惚れちゃうね！私も惚れました！ありがとうございます！！ (2022年1月17日 3時) (レス) @page22 id: 7f38ffe42c (このIDを非表示/違反報告)
お茶ん(プロフ) - チョット待って夏油サイコーすぎるWWW 五条に絶対普通に告った後のアピール用に金持ちラブ情報与えたのに、告る時点でのATMはもうネタじゃんWWW わらび餅さんサイコーですWWW (2021年8月30日 22時) (レス) id: f8c5dcff4c (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - あいりさん» あいりさんありがとうございます〜！夏油が惚れるのもわかる！と思っていただけるようなキャラにしたかったので、好きになってもらえてとっても嬉しいです〜！読んでくださってありがとうございました！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅。
| 作成日時：2021年3月6日 17時
