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ザンっ




と音を立てて、鬼の頸が落とされる。






刀を収めた義勇さんの右腕からは、血が滴っていて。





『義勇さん、やだ、怪我を!!ごめんなさい、私のせいで…』





私を庇った時に爪が当たってしまったのだろう。





手当をしようと義勇さんに駆け寄れば。





「…いい、近づくな。かすり傷だ。」





義勇さんに伸ばした手を振り払われてしまった。





そんな。





もう、私のことを嫌いになってしまったのかもしれない。





もう私を恋人だとは思ってないのかもしれない。





でも。





『駄目です、怪我は手当てをしなければいけません。それが仕事ですので!』





これは、仕事だから。





そう思い、もう一度義勇さんに向き直る。





『早く怪我をした腕を………』





「別の者に頼むからいいと言っている。………触るな。」





『っ!!』





そう言った時の義勇さんの目は今までに見たことがないくらい冷たくて。





温度のない、目。





前のような暖かく優しい、慈しむような目ではない。





義勇さんは、もう私を恋人だと思ってない。





その事実がどうしようもなく胸に突き刺さる。





義勇さんに恋人だろうって言われた時はあんなに焦ってたのに、いざそう思われなくなったらこんなに苦しい。





なんて馬鹿なんだろう。





もう義勇さんに気持ちを伝える権利なんてない。





私は、義勇さんを2回も騙した、嘘をついた。





許してなんかもらえない。





私は、義勇さんが他の隠に手当してもらっているのを呆然と見つめることしかできなかった。

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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時

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