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屋敷の中に入ってから私は着物に着替え、町へ買い物に出た。





流石にあれだけ食材がないのに料理なんて出来るはずもない。





全く、柱が忙しいのは十分分かっているけれど、食事を疎かにするのはやめて頂きたいものだ。





適当に大根やじゃがいも、鮭や鯖など安くなっているものを買って家路に着く。





私の家じゃないけどね。





水柱様は何が好きなんだろう。





甘いものが好きだったりして。





『ただいま戻りましたー』





そう声をかければ、ひょこっと顔を出す水柱様。





「町へ行ったのか。」





『はい、あまりにも食材が無かったので!』





そう睨めばバツが悪そうに彼は私から目をそらす。





柱って怖いって思ってたけど、なんだか水柱様は小さい子供のようで。





ちょっとだけ可愛い、かもしれない。





『台所、お借りしますね』





そう声をかけて慣れた手つきで大根の皮をむく。





私の母親は定食屋の女将だったから料理は結構得意なんだ。





よし、完成!





水柱様のお口に合うといいんだけど。





『水柱様、夕飯が出来ましたよ』





庭で鍛錬をしている彼は私の声ですぐに部屋に戻ってきた。





そして、私の料理を見た瞬間。





「鮭大根……!」





パァッと効果音がつきそうな、嬉しそうな顔をする水柱様。





え?何その顔、そんな顔できるの?





『えっ、あ、鮭大根、お好きですか?』





あまりの衝撃映像にどもりながら聞けば、彼はもぐもぐと頬張りながら首を縦に振る。





『それは良かったです!何が好きか分からなかったので……お口に合いましたか?』





これまたこくこくと首を縦に振る。





『私、定食屋の娘なので料理は結構得意なんです!鮭大根の他にもサバの味噌煮とかも得意なんですよ〜!』





自分の料理を美味しそうに頬張る水柱様を見て、なんだか嬉しくなってしまった私は、ひたすら得意料理や味付けのコツなどを喋りまくった。





その間、水柱様は言葉を発することなくただ黙って箸を進めていた。





『じゃあ、食器下げちゃいますね。湯を張ってあるので、湯浴びしてきてください』





さっさと茶碗をまとめる私に、水柱様は少し固まる。





何に驚いているんだろう。





どうかしましたか、と声を掛ければ。





「……泊まってくのか。」






小さく開いた口から零されたのは、そんな言葉だった。

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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時

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