【鬼滅の刃】冨岡専用の隠ちゃん。【冨岡義勇】

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それからの1週間というのは本当にあっという間で。





あの後、私と義勇さんはもちろん同じ屋敷に帰るから会うことは避けられない。





「A」





名前を呼ばれ、義勇さんの前に座るように促されて大人しく座れば、彼は申し訳なさそうに眉を下げた。





「すまない、お前の許可も取らず触れるべきではなかった。」





『いっ、いえ………その、すみません、振り払ったりして』





「いや、いい。俺が悪かった。」





私の失礼な態度にも、俺に非があるとばかりに謝る義勇さんにまた胸が苦しくなる。





違うの。





そもそも私と貴方は恋人じゃない。





私が嘘をついたの。





そのせいで貴方を傷つけた。





だからそんな優しくしないでよ。






「気をつけていたつもりだった。本当にすまなかった。」






『……すみません、今日は疲れたのでもう寝ます』





「…………あぁ、おやすみ。」





『はい、おやすみなさい。』






私はそう言ったきり、この1週間義勇さんと顔を見合わすことは無かった。






私が、避けていたから。






ご飯は作ったらそのまま置き手紙と共に置いておいて、義勇さんが任務に出るまでは部屋から出ない。





義勇さんから声をかけられても寝たフリをした。





でもそれも今日で終わりだ。





今日で、義勇さんの専属隠は終わる。






義勇さんもこの3ヶ月怪我をして帰ってくることはなかったし、1週間分のご飯は作ってあるから大丈夫なはず。





一応、調理法のメモも書いて机の上に置いておいたし。





義勇さんが任務に出たら、布団を干して最後の掃除を済ませて屋敷を出よう。






最後だから、やっぱり”いってらっしゃい”って言いたいな。






最後に義勇さんって呼びたい。






もう明日からは水柱様だから。






『……義勇さん』





「A…………」





1週間振りの会話に、義勇さんがばっとこちらを振り向く。





『いってらっしゃい。お気をつけて。』





「あぁ。……戻ったら話がある。」

寝ないで待っていてくれ。





義勇さんの言葉に涙が出そうになる。





なにそれ、私今日までなんだよ？






なんでそんな事言うの。





もしかしたら、3ヶ月という期限は知らないのかもしれない。





『……分かりました、待ってます。』





ごめんなさい、義勇さん。





また、貴方に嘘ついちゃいました。

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