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義勇side
流石に夜は冷える。
今日は酒を嗜んでいるし、俺の体はそこまで冷たくなっていないが彼女は違うのだ。
俺よりもずっと長く縁側に居たのだろう、足先の爪は紫色に変色している。
女性が体を冷やすのはまずい。
中に入るように言えば、彼女は素直に頷いて自分の部屋に戻って行った。
俺はまだ今日の任務の報告書を書いていなかったからそれを書こうと机に向かえば、それから暫くして襖が開く音がして。
『……一緒に寝てもらえませんか?』
まさか、そんなことを言われるとは。
どういうことだ。
どうすればいい。
21の男と18の女が1つの布団で共に眠るなど。
流石にそれは想いあっている男女がすることではないのか。
それともこれは夜這いなのか。
どう答えるのが正解なんだ。
俺が脳みそを酷使して黙り込んだ間に彼女は恥ずかしそうに頬を染めて部屋から出ていこうとする。
俺は何故かそれを引き止めてしまって。
結局同じ布団で寝ることにした。
報告書はまた明日書けばいい。
『冨岡さんの隣、安心します………』
日生が眠りに落ちる直前、俺の胸元で放たれた言葉。
その言葉に俺の心臓はどくどくと早鐘を打つ。
こいつは本当に。
男の布団に当たり前のように入ってくるなんて。
「……全く、無防備にも程がある。」
こんなの、他の男であれば襲われても仕方ないだろうに。
俺だったから良かったものを。
きっと俺のこの言葉は日生には届いてない。
彼女はもう夢の中。
どうか、もう彼女が苦しい悪夢を見ないように。
そう願いながら、俺も彼女の体温に微睡み眠りについた。
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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時