23話 ページ23
『今日シルクとか連れて行くね』
そんなメールを受け取ってため息をついた
お別れするって決めたんだから
もう…決めたんだから…！
みんなの中で私が
最低で最悪の人間として記憶に残ればいい
いや、いっそのこと全部…
その記憶すら捨てて忘れてしまえばいい
彼らは人気者
私の存在なんて重たいに決まってる
邪魔者はいなくなるべき
大丈夫に決まっている
たったの3ヶ月だから
3ヶ月もしたら私は居なくなって
マサイの記憶からも
居なくなるだけだから
ｼﾙｸ「よう、Aちゃん！ん、なんか雰囲気変わった？」
ﾝﾀﾞﾎ「髪の毛切ったとか？」
貴「ううん、切ってないよ」
いつも通り喋りかけてくれるシルクとンダホ
ﾓﾄｷ「あっ、ねぇねぇ！今度さ、またアスレチック行くんだけど、Aちゃんも来ない？」
すごく…行きたいよ…
貴「ごめんね…行けない…」
ﾓﾄｷ「そっか…残念だなぁ…」
本当に残念そうな顔をした
綺麗な二重のタレ目が更に下がった
貴「…今日はね、みんなにお別れをしようと思って」
ﾓﾄｷ「は？お別れ？…Aちゃん、何言ってるの？」
眉間にシワを寄せてモトキが問う
貴「モトキは頭がいいからわかるでしょ？どうして不思議そうな顔するの？」
もう…後戻りなんて、できない
ﾝﾀﾞﾎ「えっ、どういう事…？」
貴「もう…サヨナラしようと思って…ずっと辛かったよ」
ンダホが目を見開く
ﾏｻｲ「…昨日のこと気にしてるんだろう…？Aがそんなこと言うわけねぇ！」
貴「気にしないでいれると思ってるの！？あなたたちに何がわかるの？ねぇ、答えてよ！いつもキラキラ輝いて…自分が惨めになる…どんどん自分が嫌いになるよ！」
全部、嫌われるための演技といえば嘘になる
惨めになるのも、自分が嫌いになるのも本当のこと
貴「ずっと嫌だった…あなた達といるのが…！健康な人といるのが！」
自分勝手でごめんね…私が弱いから
私の方を目を見開いて見つめるシルクは
この後どんな行動をとる？
目には涙が溜まって今にもこぼれそうなンダホは
何から理解していく？
下唇を噛んで少し俯くモトキは
何を考えている？
戸惑いの色が隠せていないマサイは
何から聞いていく？
ﾏｻｲ「…Aは、俺らといるとき苦しかった？辛かった？」
貴「…苦しかったよ…辛かったよ…」
こんなの嘘
傷つけないように離れようとしているのに
今もマサイを傷つけている
ﾏｻｲ「そっか…ごめん…」
謝るのは
私の方なのに…
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りん(プロフ) - とても感動しました。本当に素敵な作品でした、これからも応援しています！ (2021年7月19日 12時) (
レス) id: 455f01eeaa (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - みかんさん» 分かりました！わざわざコメントありがとうございます！ (2020年11月9日 22時) (レス) id: 271830f170 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - これも残して欲しいです！ (2020年11月8日 21時) (レス) id: f236b70c3f (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - @さん» ありがとうございます！違う作品も読んだらぜひコメントください！ (2019年9月23日 9時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
@ - とても感動しました！！こんな素敵な作品を作ってくれてありがとうございました。違う作品も見てみたいです！！ (2019年9月22日 22時) (レス) id: 298780871c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳴海 帆南 | 作成日時：2019年6月6日 16時
