STORY 37 ページ18
『全部、隠してて……悪かった。ちゃんと話せなくて、悪かった。俺がちゃんと話していたら、お前は傷つかなくて済…』
「どっちにしろ、傷付いてたよ」
河野は俺から顔を逸らすと、真っ直ぐに前を見つめながら言う。
「薄々気付いてた。木兎さんは、蒼井の事が好きなんじゃないか、って。でも、認めたくなかった。信じたくなかった。どうして蒼井なんだろう…どうして俺じゃないんだろう…って、ずっと考えてた」
寂しそうに笑う、河野。
「真剣に考えれば考えるほど、何となく分かっちゃうんだ。木兎さんが蒼井を選んだ理由」
『俺を選んだ理由…？』
「そう。蒼井は口悪いし、いじめっ子で性格は悪いし、態度もデカい。先輩に対してあんな態度を取るなんて、普通じゃ許されない事だよ」
「でも、」と言って河野は続ける。
「それなのに、みんな蒼井の事を許しちゃうのは、きっと蒼井だからなんだと思う。お前、今まで友達がいなかったって言うけど、それって本当か？お前が気付いていないだけで、本当は友達いたんじゃねえの？」
『……知らね』
「それに、蒼井にはたくさん魅力がある」
『ねえよ』
「ううん、ある。努力家だし、一生懸命だし、真っ直ぐだ。好きなものにはとことん一直線。そんなところが、蒼井の魅力で、そんな蒼井の魅力に、木兎さんは心を惹かれたんだと思う」
滅多に他人から褒められない俺に、河野はたくさん俺の魅力を教えてくれた。
なんだか恥ずかしくなり、俺は赤くなる頬を手の平でごしごしと擦る。
そんな俺に気付いた河野は、眉間に皺を寄せ、目を細めて俺を睨んできた。
「なに照れてるんだよ、褒めてねえぞ」
『うっせ』
「蒼井が俺に素直に、木兎さんが好き、って言ったとしても傷付いてたよ。俺にとって、蒼井は大切な友達……いや、友達というか、なんかこう…相棒というか…」
『あい、…相棒！？』
声を裏返しながら顔を真っ赤に染める俺を見て、河野は驚いたように目を丸くした。
「相棒…じゃないの？」
『し、知るかよ！そんなクソ恥ずい事、軽く言ってんじゃねえ！』
「ふうん。恥ずかしい事なんだ。俺は恥ずかしい事なんて思わないけど。すごく嬉しい事だと思うけど」
涼しい顔をしながら淡々と言う河野に、俺は口をパクパクと開閉させる。
「そんな大切な友達と、好きな人が被ったら…きっと俺も戸惑うだろうな。蒼井みたいに、嘘つくかも」
『……うん』
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磯野(プロフ) - yu-kariさん» こんばんは。コメントありがとうございます。次のHQ小説の内容はまだ決まっていませんが、次回も読んでいただけましたら幸いです。よろしくお願いします。 (2018年10月29日 20時) (
レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - 、、、たまらん。(*´∀｀*)ﾎﾟｯ次回作楽しみ( ´Д｀)= (2018年10月29日 13時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
磯野(プロフ) - 輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄさん» おはようございます。コメントありがとうございます。最後まで読んで下さいまして誠にありがとうございます。これからも読者様方々におもしろいと思って頂ける作品を作っていこうと思いますので、よろしくお願いします！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 1f5e84e895 (このIDを非表示/違反報告)
輝咲囚兎/ｷｻｷ ｼｭ-ﾄ(プロフ) - 最初から最後迄本当に楽しかったです！どちらのルートも応援していたのでとても胸がいっぱいです！ホントに素敵な作品をありがとうございます！！ (2018年10月29日 7時) (レス) id: 437cb76d7d (このIDを非表示/違反報告)
yu-kari - おっ、、、あっ、、、。、、、、、ぁぁぁぁあああ！、ぁぁぁぁあああ！最高ぉぉおおおお！最後まで神作ぅぅぅぅぅぅううう！ (2018年10月28日 2時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：磯野
| 作成日時：2018年10月21日 21時
