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>Iwamoto side.
話を終えたAは、ポトリとまた涙を落とした。
「…その後彼に言われた通り友達に戻って、だけど私の中にはずっと罪悪感が残ったまま、」
外気にさらされた彼女の手は冷たくて。
こぼれ落ちる涙を、俺の指で拭った。
「学年が変わってクラスが別々になって、部活も引退して、…そのまま卒業しちゃって。」
「だから今はどこで何してるのかも知らないけど、…彼を傷つけたことはずっと私の中に残ってる。」
人通りの少なくなった駅前に、俺とAの2人きり。
消えそうなくらい儚い横顔に、握った彼女の左手を離さないようにもう一度手に力を込める。
「目黒が私のこと好きになってくれて、私にストレートに気持ちを伝えてくれて、それはすごく嬉しいことだけど、
…このままだと私がまた、彼にしたみたいに、寂しさを埋めるために目黒のことを利用してしまう気がして怖くて。」
「だけど突き放すこともできないから、私ってずるいんだよね。」
Aの乾いた笑い声が、夜の街に消えていく。
…ずるいのは俺も一緒だよ。
ふっかとAが両片思いなのを知っていて、それを伝えずに2人の間に入り込もうとしてるんだから。
「どれだけ他の人に逃げようとしたって、私の心の中にいるのはいつもふっかだけなんだよね。」
「だからそろそろ腹括って私の気持ちを伝えなきゃいけないなって、最近はそう思うようになってきた。」
じゃないと私一生独り身になっちゃう、とAが冗談まじりに言って、
『その時は俺がもらってあげるよ。』
「なにそれ、照もそんな冗談言うんだ、」
こぼれ出した言葉を、冗談だと思ってるAはあははと笑い声を漏らした。
「ありがとう、聞いてくれて。なんかちょっとだけスッキリした。」
ハラリと落ちた長い髪を耳にかけて、彼女が俺に向かって微笑む。
……俺はこのままでいいんだろうか。
ふっかがAを好きなこと、俺がAに伝えたら彼女はこんなふうに悲しまなくて済むんじゃないのか？
目黒のことも彼氏ができたからって理由で、今みたいに悩まずにスムーズに断れるんじゃないか？
「じゃあそろそろ帰るね、…話聞いてくれてありがとう。」
そう言って立ち上がったAに、
『ふっかはお前のこと好きだよ。』
気づいたら、そう、伝えてた。
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ひすい - 面白すぎて一気に見てます、、！ふっかさんと両片思いに歓喜しながら、めめやひーくん切なすぎて今泣きながらコメント書いてます。笑色んな感情がぶわ〜って感じです！最高です！ (2020年12月12日 23時) (
レス) id: 85cba31a0e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 名無し85099号さん» コメントありがとうございます！！そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです！！最後までよろしくお願いします…！！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
名無し85099号(プロフ) - ほんとに焦らされまくりました！本気でどの作品よりも主様のお話が一番好きです！大ファンです！最終章楽しみにしてます！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: ead5991952 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - 凛華さん» こんにちは、コメントありがとうございます…！照もかわいそうな感じになっちゃいましたもんね…、どのような形でふっか以外の落ちも書くか、今いろいろ迷い中です…、とりあえずは完結まで明言はできませんが、今後もよろしくお願いします…！ (2020年5月28日 18時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - こゆきさん！こんにちは(^^)深澤くん、目黒くん落ちも需要あるって言ったのに、照くん落ちもすっごく見たいです……… (2020年5月28日 17時) (レス) id: 8c58893707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年5月13日 15時
