もう一度 ページ21
「今日の任務完了。」
相手は1級だったが難なく任務をこなして高専へと帰る
特級レベルではないがそれに近い強さは持ち合わせている
でもなんとなく
「特級になれない原因は分かってる…」
高専時代の特級呪霊と遭遇したあの日から、私は呪術師としての成長が止まった
正しくは、力を出すことを躊躇うようになった
自分の限界を、知りたくなかったから…
「私、弱いまんまだ。」
そんな苦悩を浮かべながらパソコンと向き合い、報告書を入力し出す
「…恵帰ったかな。」
ふと気になりスマホに目をやると案の定通知がきていた
恵今朝は朝食ありがとうございました。後で鍵返しに行きたいので、休みの日教えてほしいです
「休みあってもないような感じだからなあ、どうしよ。」
昨日は都合良く休みが取れただけだし…
「あ」
大晦日とか、いいんじゃないか？
どうせ悟となんて一緒にいないだろうし
そう思いながら虚しくなる
「ほんと、馬鹿みたいだな…」
そう思いながら恵と大晦日に会う約束をしてスマホをしまう
しばらくパソコンと向き合っていると職員室のドアが開いた
「お、Aか。しばらく会わないうちに随分と疲れきった顔立ちになったな。」
「硝子…久しぶり。」
硝子には悟とのことで散々話を聞いてもらってお世話になった
なのに
今だけは口が開かなかった
「…まあ、無理に話す必要は無いさ。」
私の気持ちを理解したように硝子はそう言った
「…ごめんね、まだ気持ちの整理ができてなくて。」
恵にもちゃんと話をできていない
大事な人達にすら背を向けて逃げてばかりいる
肝心な悟とも、連絡を取るのが怖い
「何があったか知らないけど、Aが悪いってことは無いぞ。私が保証する。」
「うん、ありがとう硝子。」
薄く笑みを浮かべて職員室から去っていく硝子の姿を見つめる
違う、違うんだよ
本当は分かってる
私にも原因があったことくらい分かってるのに
何年も向き合うことを恐れてた
本当はいつかこんな日がくるって
分かってたのに
「悟と、話さないと。」
その言葉を最後に私は決心を固めた
どんな結果になろうともう逃げたくない
大好きなあなたともう二度と笑い合えないとしても、私はそれ以上の悲しみを繰り返したくない
だから
「もしもし、悟。話があるんだけど。」
迷いの無い声でそう呼びかけた
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ぽゆお - 面白い！ (2021年8月21日 20時) (
レス) id: 1ae4b37a35 (このIDを非表示/違反報告)
菜ノ花桜(プロフ) - 苺ミルク飴さん» 嬉しい感想ありがとうございます！これからも地道に更新続けるので、よろしくお願い致します。 (2021年1月18日 18時) (レス) id: 99ef0c82f2 (このIDを非表示/違反報告)
苺ミルク飴(プロフ) - すごく面白いです！とても好みの作品でした。お体に気をつけ、更新頑張ってください！続きを楽しみにして待っています！ (2021年1月18日 18時) (レス) id: 7e42020719 (このIDを非表示/違反報告)
菜ノ花桜(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。見落としていました、申し訳ありません。 (2021年1月17日 15時) (レス) id: 99ef0c82f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜ノ花桜 | 作成日時：2021年1月17日 15時
