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すれ違う ページ17

恵の家から数分歩いたところで悟が立ち止まる


「…何回も連絡したのになんで返事しなかった?なんで恵の家行ったの?」


「ごめん、スマホの充電無いの忘れてた。私が街中で泣いてるの見た恵が心配してくれて、それで…」


私が続きを言おうとすると


「そんなの分かってる。」


悟が言葉を遮る


「僕が聞きたいのは…なんで彼氏でもない男の家にずかずか入り込めんのかってこと。」


振り向いた表情が読めず戸惑う


でも、怒ってるのは確かだ


「ごめん。私は恵を信用してるし、なにより大切な幼馴染だから。」


そう言う私を見ると、悟は更に感情を露わにする


「…はあ、分かってないねーAは。」


「じゃあ聞くけど、僕が内緒で硝子の家に行ってたらどう思う?」


「!それは…」


的確な質問に対して私は何も言えず黙り込んだ


「ほら、何も言えないでしょ。Aはそれと同じことしたんだよ。」


「…ごめん。」


「とにかく、今後恵と二人きりで会うとかなしだから。もしどうしてもって時は僕も呼んで。」


悟の高圧的な物言いに思わず顔をしかめる


「…分かった。もう恵と二人きりでは会わない。」


私がそう言えば満足気に頷く悟


「懸命な判断だね。じゃ、帰ろうか。」


しかしそこへ突然、長年の苦悩が降りかかる


どうして…


そんなに怒るならどうして


何年もほっといてたの?


私が好きって言ってもそっけなかったのに


今になってそんな態度取るなんて


分かんないよ


「…ちょっと待って悟。」


「…なに?」


言うんだ


今までのこと聞かないと、後悔する


「そんなに怒るならどうして、今まで私のことほっといてたの?」


そう言った瞬間悟の表情が強ばる


「別に、Aには関係ないから。」


思いがけないひと言に目を丸くする


「関係ないって…なに。」


それと同時に蓋をしていたはずの感情が溢れ出す


「関係ないわけない!それなら私がこんな風に悩むわけないじゃん!」


「違う、そうじゃなくて…」


「違わないよ…悟がそう言うなら私と恵のことだって、悟には関係ない。自分だけ被害者ズラすんのやめてよ…!」


しばらく沈黙した空気が流れた後に、悟が口を開く


「Aと分かり合えないとは思わなかったよ。本当に残念だ。」


「…なにそれ、もう好きじゃないってこと?」


感情的になり、つい口走る


悟は特に動揺せず目隠しをとると


「ああ、僕はとっくに冷めてるよ。」


そんな信じられない言葉を吐いた

苦悩→←話したい



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ぽゆお - 面白い! (2021年8月21日 20時) (レス) id: 1ae4b37a35 (このIDを非表示/違反報告)
菜ノ花桜(プロフ) - 苺ミルク飴さん» 嬉しい感想ありがとうございます!これからも地道に更新続けるので、よろしくお願い致します。 (2021年1月18日 18時) (レス) id: 99ef0c82f2 (このIDを非表示/違反報告)
苺ミルク飴(プロフ) - すごく面白いです!とても好みの作品でした。お体に気をつけ、更新頑張ってください!続きを楽しみにして待っています! (2021年1月18日 18時) (レス) id: 7e42020719 (このIDを非表示/違反報告)
菜ノ花桜(プロフ) - ぽんさん» ご指摘ありがとうございます。見落としていました、申し訳ありません。 (2021年1月17日 15時) (レス) id: 99ef0c82f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜ノ花桜 | 作成日時:2021年1月17日 15時

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