37:齢四歳、私の過ち ページ39
＿＿それは、私が四歳の時に起こった出来事だった。
私はその時、とある交差点にいた。
しっかりと光る赤信号。立ち止まる私と母。交差点を行き来している車の数々。
ふと、黒い車が私の視界に入った。
私はその時、自分の何かが蠢くのを感じた。
車は私とお母さんの方へ、すごい速さで向かってくる。
母は瞬時に危険を察知し、私をかばった。
それと同時に、急ブレーキの音と共にくる衝撃。
私の横には、母が血を流し倒れていた。
…車の運転手は奇跡的に右腕の骨折だけで済んだらしい。
だが、それ以上に責め立てるように覆い被さった、母の死。
事故の原因は、私の個性の発動。そしてその暴走だった。
私は加害者にもかかわらず無傷。
これは世間にも報道されず、ただ、“ヒーロー、カノンが亡くなった”という事実だけがテレビに映された。
母の葬式やら、運転手とのいざこざがあって、やっとこさ落ち着いてきたところで父が私に話してきた話の内容は、“個性禁止令”の話だった。
私はもちろん、その話を受け入れた。受け入れるしかなかった。
父は、自分の愛する妻を殺した私を、大切に育ててくれた。
無個性で生きることも、小さい頃、両親の背中を見てヒーローになりたいと語った夢を捨てることも、年を重ねるごとになんとも思わなくなった。
＿＿ただ、私には、人殺しという重荷を背負うだけだと、そう思っていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
感傷に浸っていた私に声がかかった。
「だったら、尚更、ヒーローになるべきだろうが。」
『…え？』
爆豪くんが言った言葉に、私は締まらない返事をする。
まるで心が読まれたみたいだ。
「てめぇの何がヒーローになることを止めてんのかはわかんねえ。
…けど、んな有能な個性持って、期待されてんのに、ヒーローになりたくないっつってる方がもっとわかんねえ。」
周りがざわざわしている中、爆豪くんの声が、私の中にすっと入ってくる。
『(人殺しをしたヒーローなんか、見たことある？＿＿ないでしょう？)』
『私はヒーローにはなれないよ。』
私は爆豪くんにそう言った。
「んだよ、うぜぇな。
だいたい、いつもいつもてめぇはわかんねえことだらけなんだよ!!相談してこいやクソが!!」
『爆豪くんが…優しい…だと!?』
「死ね!!」
爆豪くん。ありがとう。
でも、まだ話す気はないかな。
「もう着くぞ。いい加減にしとけよ…」
「「「ハイ!!」」」
目的地まで、あともう少し。
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すこんぶ(プロフ) - コルシュさん» コメントありがとうございます!!気に入ってくださっているのですね!!嬉しいです!!これからもたくさんの萌えをプレゼントできるように頑張りますね!! (2018年3月29日 0時) (
レス) id: b7f0e1bf89 (このIDを非表示/違反報告)
コルシュ(プロフ) - すごく気に入ってます。これからも頑張ってくださるとこっちもとても嬉しいです。どんどん萌えをください。 (2018年3月28日 18時) (レス) id: ed00f6a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
すこんぶ(プロフ) - 苺デラックスさん» コメントありがとうございます!!そう言って下さると嬉しいです!!どんどん萌えてって下さいな(( (2018年3月28日 3時) (レス) id: b7f0e1bf89 (このIDを非表示/違反報告)
苺デラックス - この小説本当にファンです！かっちゃんかっこいいです！ハグするシーンで萌えました！！ (2018年3月27日 4時) (レス) id: e851a42e9b (このIDを非表示/違反報告)
すこんぶ(プロフ) - みるくてぃさん» そーなんか!!あるあるやんな…!! (2018年3月22日 0時) (レス) id: b7f0e1bf89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すこんぶ | 作成日時：2018年3月11日 22時
