その少女危険ゆえ ページ3
青々とした空に、活気に満ちた市場
『ねぇ、おじさん！そのおっきいのちょうだい!!』
そんな市場の真ん中、果物屋の店先で、弾むような明るい声とともに少女は店奥に並ぶ赤い果物を指さす
「あぁ…悪いがありゃやめとけ」
『えっ!!どうしてよ…私はあれがいいの!!』
薄緑のマントのフードを目深くかぶった少女は口を尖らせて店主に手を差し出す
「悪いことは言わねぇ。嬢ちゃん、こっちにしときな」
そう言って店主がその手に乗せたのは同じ果物であったが一回り小さいものであった
「大きくなりすぎれば味も落ちるってもんよ。そのぶんそっちは小さいが味は保証するぞ！騙されたと思って一口食ってみな」
恐る恐る少女は一口その果実をかじる
『!!!!』
少女は思わず店主を見た
口に広がった味が想像していたものより美味しかったのだ
「はははっ、な、美味いだろ？」
『びっくりした……こんなに美味しいなんて』
「なら、それやるよ。そんな顔して食べてもらえるなんてこっちこそびっくりだ」
目深くかぶったフードがズレることも気にせず少女は満面の笑みを浮かべる
『これ、あと、30個ちょうだい!!お金はちゃんと払うわ』
「いいけどよ、一人で食べるのか？」
『ううん、違うわ。久しぶりに会う仲間たちと食べるのよ!!こんなに美味しいんだもの一人で食べるなんてもったいないわ!!』
「そうかいそうかい。仲間思いはいいことだおまけしといてやるよ。ついでにいい話もな」
果物が入った袋を受け取りながら少女はきょとんと首をかしげた
「今はな、怖い奴らがこの島にいるからな、嬢ちゃん一人で動かない方がいいぞ？」
『怖い人たち？』
「そうだ。なんてったってあの麦わら帽子の…「麦わらのルフィがこの島にいるんだからなぁ」
突如後ろから聞こえた声に少女はゆっくりと振り返る
市の活気に満ちた声が恐怖混じりのざわめきへと変わり店主は目を見開きその顔は青白く変わっていった
「酒場にまで行く途中に俺たちの話が聞こえるとわなぁ…なんだサインでも欲しいのか？」
男女数名の一番前を歩いていた麦わら帽子をかぶった男が、下卑た笑みを浮かべながら少女を見る
『あなた…誰？』
「俺を知らねぇとはなぁ…おりゃ麦わらのルフィだ。どうだ？今から俺たちと酒場に来ねぇか？よく見りゃいい顔してやがる。俺たちのことをじっくり教えてやるよ」
『嫌よ』
あたりがまたざわめきたった
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歌和月(プロフ) - ほうじ茶さん» ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします (2018年1月16日 0時) (
レス) id: 89164110a3 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶(プロフ) - 面白すぎて一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます！ (2017年12月24日 17時) (レス) id: d5dae34659 (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ピースさん» コメントありがとうございます。どう書こうか、このまま書いても…と自身を無くしていたのでコメントが来たのでやる気も出、自信も出てきたので一気に3ページも自分の書きたいように書けましたありがとうございます^^* (2017年12月22日 22時) (レス) id: 8cd538f5d8 (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 早く続きをみたいです。 (2017年12月22日 14時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
歌和月(プロフ) - ジュリさん» ありがとうございます!!出来るだけ早く更新できるように頑張っていきたいと思います (2017年11月4日 22時) (レス) id: cdc15aa4fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌和月 | 作成日時：2017年10月22日 0時
