それはやっぱり君でした【にのあい】 (ページ26)

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同じ気持ち（side美羽）ページ26

トン。

教室の出入り口で二宮と肩がぶつかった。

美羽：「………。」

和也：「………。」

お互い視線が合ったけど、何にも言わないで通り過ぎる。

高校に入って半年。そんなことがよくあった。

クラスの男子が可愛い女の子を見ては批評したりして騒いでる中、話を振られてもあいつはただ笑ってるだけ。

私もそうで、「ねぇ飯島さん◯◯くんってカッコ良くない？」振られても話に乗れることができず相槌を打つだけ。

いつしか似てるなぁなんて思うようになって。

その頃から何故か二宮とは良く目が合うようになった。

.

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ある放課後。

忘れ物を取りにったらあいつが1人窓辺に立って校庭を眺めていて、

美羽：「…なに、してるの？」

聞いたら二宮は私に視線を向けて。また校庭に戻す。

和也：「…みんななにがそんなに楽しいのかなぁ。」

ボソリと言った。

校門に続く校庭は、部活に精を出す男の子たち。女の子が集まってキャッキャ騒ぎながら帰る子や、幸せそうに2人並んで歩いてる恋人。

後から思えば決してそんなことはないのだろうけど、みんながみんな幸せそうに見えた。その時の私には。

ふと…

この人も同じ気持ちなんじゃないかって。