それはやっぱり君でした【にのあい】 (ページ25)

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二宮和也（side美羽）ページ25

高校入学式。

前の席の女の子たちが先生たちに気が付かれないようにはしゃぐ。

「あの1番前の男の子、めっちゃカッコ良くない？」「思った思った！」

…うるさいなぁ。

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昨夜は風が強くて窓が揺れてよく眠れなかった。

父と母が離婚したのはこの春休み中。

もともと決まってたのか思い立ったのかはわからないけど突然引っ越しする事になった。

せっかくだからって高校の近くの古いアパート。

離婚してからは母はいつも忙しかった。夜遅くまでいつも帰って来ない。

家事はやらされる。いいことなんてひとつもない。

まわりは新生活でみんな浮き足立っていたけれど私はなんの希望もなかった。

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男なんて。

どうせ最後には浮気をする。

お父さんみたいにいい加減で、ロクでもないに決まってるって。

私の心は16歳の割に荒んでいた。

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「あ！こっち見た！」

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何気に視線をその女と同じ方向に動かす。

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出席番号1番の『二宮和也』。

小柄で。

青白くて。

瞳の色素が薄いその人は…

その時初めて私の視線とぶつかった。