切り替えが大事 ページ29
エース｢それで、なんでそれが秘密なんだよ｣
｢…前世の記憶があるってことは、生まれた頃から自我があるってことだ。普通の人にはないはずの記憶があって、物事を考えることが出来た。…人格が、前世のものなんだよ｣
こんなこと、深く考えたことはなかった。
けど、心の中ではずっと気にしていたんだ。
もし、この世界で、"A"という存在が、俺という存在で上書きされてしまったのだとしたら。
この暖かい家族も、与えられた筈の愛も、幸せも、俺が奪ってしまったことになる。
ある意味、人殺しかもしれないな。
｢…俺は、"俺"であっていいのか、分からない｣
こんなの、すごく今更だと分かってる。
10年以上生きて、ずっと見ない振りをしてきた。
死のうとか、そんなことは考えないけど。
ただ、少し、怖い。
エース｢…お前、さっき自分で言ってたぞ｣
｢え、何を？｣
エース｢“今の親は白ひげ、それでいいじゃねェか”って。Aの親はサッチだし、じいちゃんは白ひげだろ？…ゼンセの記憶があったって、変わらねェよ、それだけは｣
…そっか。
俺、エースに言っといて、似たようなことで悩んでたんだな。人にあーだこーだ言える立場じゃねェや。
エース｢Aのことを話すときのサッチ、すげェ嬉しそうなんだ。お前がAであることを否定しても、どうしようもねェだろ？サッチは"お前"しか知らないんだからよ｣
エースはそう言って、屈託のない笑みを浮かべた。
｢…エ"ーズｩーーー！！！！｣
エース｢な、泣くなよ！？大したこと言ってねェだろ！！？｣
｢う"ぅ…あ、あ"りがとう"ｯ……！！｣
…俺ってこんな弱かったんだな。
ビビりで弱いとか…よくここまで来れたよ、本当に。
ま、今回は例外ってことにしておこうかな！！
切り替えが大事！
…そのあと10分くらい泣き続けたのは、俺とエースだけの秘密だ。
エース｢飯ィィイイーーー！！！！！｣
食堂のドアをバン！と開けて、目当ての物を叫びながらカウンターへと駆けていくエース。
その様子を見て、またか、と微笑む兄弟達。
今日も白ひげ海賊団の食堂は微笑ましい。
マルコ｢そんな叫ばなくても飯は逃げねェよい｣
ラクヨウ｢今日も騒がしいなァ、うちの末っ子はよ。あ、末っ子はAか？｣
サッチ｢ずっと末っ子だろうな、Aは。他の誰かにガキが出来たら変わるだろうが…｣
隊長｢｢｢無理だろ｣｣｣
…微笑ましい限りです。(二回目)
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ライキ - 反応が遅れてしまい、申し訳ありません！更新ありがとうございます！！陰ながら応援させてもらってます！！これからも楽しみにしてます！ (2022年12月4日 19時) (
レス) id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - 哀羅さん» ありがとうございます！ (2020年11月16日 16時) (レス) id: 93b38c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 柳さん» 今、フォローさせてもらいました！！！ (2020年11月16日 7時) (レス) id: 4b111e8b4e (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ありがとうございます！フォロバさせていただきますね！ (2020年11月15日 23時) (レス) id: 93b38c73d0 (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 明日、Twitter探してフォローさせてもらいます！ (2020年11月15日 22時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柳 | 作成日時：2019年10月18日 20時
