【名探偵コナン】黒ずくめの組織の下っ端 (ページ17)

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人間になりたかったページ17

…そして、明美は任務を任され、成功したのにも関わらずジンの手によって殺された。

夢のような少女漫画、もといラブコメは、バッドエンドで終わりを告げた。

ちなみに、私は疑われていない。

誰も私と明美の関係を知らなかったから。

電話も公衆電話からだったし、記録も残していなかった。

流石、私の親友だ。

｢…宮野明美の妹、宮野志保…。組織を抜け出した幹部…コードネームはシェリー、だったか？｣

明美が死んだ今、宮野志保は一人となったはず。

組織から抜け出し、今何処にいるのか。

｢まぁ、私には関係ないんだけど｣

私が仲良くしていたのは明美であって、その妹ではない。

薄情？

じゃあお前は、友達の従兄弟と仲良くするのか？しないだろ。

話は聞いたことはあるけど、面識もないし。

しかも組織の元幹部ときた。

誰が関わるか。

幹部は(元)ライとバーボンで十分です。

prrr...prrr...

｢はい｣

『氷菓さん、仕事です。今すぐ車で〇〇ホテルへ向かってください。そこでベルモットを拾い、〇〇ビルに来てください。お願いします』

…ベルモット？

あの方のお気に入りとか言われてる超絶美人で幹部の"あの"ベルモット？

…………死ぬやん。

｢了解しました｣

もう一度言います。

(元)ライとバーボンで十分です。

…とりあえず行くか。

｢貴女がバーボンのpuppy？｣

｢…パピー？｣

｢子犬って意味よ｣

｢子犬……ただの下っ端です。…乗ってください。バーボンが待っています｣

ホテルの地下駐車場で待っていたベルモット。

美女過ぎて分かりやすかった。

てか子犬て…もはや人間ですらないじゃないか。

…"パパ"かと思ったのは秘密。

｢…貴女、バーボンとやったそうね｣

｢えぇ、まぁ｣

車を発車させて早々、なんてこと聞くんだ。

動揺は心の中に納めて、ポーカーフェイスを決め込む。

動揺したら負け、動揺したら負け…

｢…バーボンを騙すなんて…やるじゃない、アイスちゃん｣

｢あ、あいす…？｣

犬の次は氷？

とうとう生き物ですらなくなってしまった。

私はいつ人間になれるのだろうか…。

｢貴女のファミリーネーム、"氷菓"は英語ではアイスクリーム｣

｢だからアイス…似合いませんね、アイスクリームなんて。この組織であんな甘ったるい食べ物｣

そう自嘲的に笑う私は、今盛大に後悔している。

…厨二病かよこのやろう。