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意外と仲が…? ページ16

「要らん。組織に入ったのは私の責任。死ぬのなんて覚悟の上だ。…そんなことより、お前今どこにいる?」

『日本、とだけ言っておこう』

「チッ!詳しく言えばチクってやろうと思ったのに」

『そんなことだろうと思ったよ…。相当憎まれているようだな、俺は』

「さんっざん巻き込んどいて、良く言うよ。…で、あいつは元気なのか?」

『最近やっと連絡をするようになってな。"困ったことがあれば頼ってくれ"、と』

「ふーん…。反抗期は終わったわけだ」

『ハハハッ!!全くその通りだ』


それから少し雑談して、会話に間が出来た。

しんみりした空気が通話でも伝わってくる。

私達には似合わない空気。


『…安心しろ、お前を死なせはしないさ』

「…いや、手は出さなくていい。自分でなんとかするよ。こっちも"手"がないわけじゃない」

『そうか。…危なくなったら言え』

「…意外と優しいよな」

『元からだろ?』

「……………じゃあ、切るよ」

『…あぁ。…死ぬなよ』

「善処する」


ブツ、と通話を切る。


あいつは、赤井 秀一。

FBI捜査官で、組織に潜入していた。

2年前にジンを捕まえようとして失敗し、追われる身となった。

赤井と話したのは2年ぶり。

組織を抜けたときに一度連絡を貰ってそれっきりだった。

さっき言った"明美"は、私と同じ組織の末端"だった"女性。

明美と私は下っ端同士、普通に仲良くしていた。

親友と言ってもいいくらいだった。

私は当時_今もだが_人と関わることを限りなく避けていたため、明美の存在が私のなかでとても大きかった。


明美と赤井は付き合っていた。

そして、赤井が組織に入るとき、きっかけになったのも明美。

明美が車で赤井と衝突してしまったのが出会いだったらしいが、そこから恋人になるなんて少女漫画かよ、というのが本音。

まぁ、全て赤井の自作自演。

組織に潜入するために明美に近付き、親密な関係になるために車に自ら当たる、という色んな意味で人間性を疑うような演技をした赤井だったが、明美にはバレていた。

しかも情けないことに、利用したはずの明美に赤井が惚れて____なーんてラブコメもあったわけだが、それから事件が始まった。

赤井が組織から抜けると、恋人だった明美は当然のごとく疑われ、監視されるようになった。

明美は騙されただけなのに。

赤井という(裏がありすぎる)イケメンに恋に落ちただけなのに。

愛した人に愛され、両想いにまでなれたのに。

人間になりたかった→←チクれば良かった



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(プロフ) - 勉強大好き(学校での)さん» ここは自分的にも好みなので、そう言って頂き嬉しいです!!コメントありがとうございます!! (2020年4月7日 13時) (レス) id: 1a02a166b9 (このIDを非表示/違反報告)
勉強大好き(学校での)(プロフ) - 犯罪者が法律事務所に行くっていうのが私的に一番好きです。 (2020年4月7日 9時) (レス) id: 192730a35f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - がなちみさん» そういって頂き光栄ですw (2020年1月6日 17時) (レス) id: 1a02a166b9 (このIDを非表示/違反報告)
がなちみ(プロフ) - 心の声にじわる (2020年1月6日 17時) (レス) id: aeba0a6090 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - がなちみさん» 楽しみにしていただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年1月6日 17時) (レス) id: 1a02a166b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月16日 21時

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