【文スト】人間失格の息子と或る番外編【男主】

魔の予防接種 ページ7

太宰の元にAがやって来て暫く経ったある日、森は何かを思い出した様に口を開いた。






森「そうだ、A君は確か生後2ヶ月程だったよね？」


太「そうじゃないの？」


森「それでは予防接種をしないといけないね」






予防接種？
それは注射？



Aは森の言葉にピクリと反応した。
何せ、A。
前世から注射が大嫌いだ。





太「予防接種？なんで？」


森「赤ん坊は免疫が未発達で、2ヶ月頃から予防接種をする事で免疫を付けるんだよ」



太「ふーん」



「あぅ…！(いやだ！)」



森「では、1週間後に予防接種をしようか」



「あぅ(え？)」





Aのやりたくないと云う意思は伝わらず、1週間後に予防接種を受ける事が決まってしまった。





「あぅあー(むり！)」





あの注射の針が刺される感触を思い出して、今から涙が出てきた。





エ「A、1週間後はお注射よ？泣かないで」





エリスは泣きそうになっているAの頬に短くキスをした。






森「嗚呼！！エリスちゃぁん！私にも頬にちゅっとして欲しいなぁ〜」



エ「貴方にやるわけないでしょ。キモイのよ」



森「うｯｯ！！」



太「Aにまで嫉妬？気持ち悪」



森「太宰君までそんな目で見ないで！」




診療所からは森の悲鳴に似た声が響き渡った。

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