白と黒の羅生門

極度の ページ44

太宰side


待って。


付き合ってるって何？


私には何も言ってくれなかったのかい!!


お兄ちゃんそんな子に育てた覚えはありません!!←


「もう一つは...そんな情報で解放してもらえると？」


『うん。だって、マフィアの情報だし、これで解放しなかったら嘘を付いたことになる。もう二度と取引出来なくなっちゃうよ〜』


あ〜やられた。完全に負けだ


「わかったよ、Aは解放してあげる。」


『やったね！』


はぁ、今度から、もっとちゃんと考えて取引しよう...


Aは穴という穴を探して、取引を回避しちゃうから、Aだけはまともな情報を吐かせられないんだよね...


『まったねー兄さん!!』


「はいはい、じゃあね」






Aside


はい、また一勝!!


兄さんとの取引は２回目だ


『これで二勝だね！』


探偵社を出て、拠点に急いだ








〜拠点にて〜


『ただいま〜』


執務室に勢いよく入る


誰もいないはずだ...しかし、そこにはイライラした様子の龍之介が仁王立ちしていた


「やっと帰ってきたか」


怖い、怖いよ。オーラが黒い


これは相当ヤバいな


「座れ」


『はひぃ！』


恐怖で変な声出たじゃん！


私は龍之介の前に正座する


「僕に連絡せずに、何処へ行っていた。」


『探偵社に囚われておりました。』


「!?今すぐ探偵社を潰してくる！」


『待って待って、取引だから！何もされてないから!!』


「...そうか。本当だな。かすり傷一つないな！」


『うん。だから落ち着いて!!』


ﾊﾞｯ


「........良かった。僕の居ぬ間に傷付けられていたらと思って心配していた。」


え...


状況が理解出来ない...


えっと、龍之介に抱きつかれていて、怒っていたのではなく、心配していたと...


『ごめんね...大丈夫だよ。』


私は背中に手をまわした


龍之介も極度の心配性か........


怒ってなくて良かった...


「誰に連れていかれた」


『兄さんだよ』


「太宰さん!!本当になにもされてないのか？情報を吐かされたりもかっ？」


『大丈夫だよ！兄さんの拷問で吐かない唯一の人物だからね、私は!!それに、兄さんも実の妹を傷付けるほど白状な...』


「...？A？...大丈夫か」


違う。白状な奴だったわ...


昔、殴られかけた...


兄さんは私でも...


「A!?」


『...!!ごめん...昔を思い出してた』


「大丈夫か？」


『うん。』


私は抱き締める力を強くして、顔を埋めた


「好きなだけ、そうしてろ」

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