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わがまま王子 08 ページ8

今までの俺は





別に何の気なしに




「付き合え。」




って言って




その場限りの関係を




楽しんでた。





それでいいや、って思ってたし





それ以上でもそれ以下でもないか、って





でもいざ





本気で好きになった人ができると






「好き」のたった2文字も





なかなか伝える気にならなくて






.







.






.






「横尾さぁぁぁぁぁん」


「はいはい。」






いつものカフェ。





今日もまた嘘ついて



横尾さんに相談するんだ。








「なんかね、我慢出来なくてさ……」







藤ヶ谷を俺だけのものにしたい






好きって自覚した瞬間に





独占したくなって





藤ヶ谷が俺以外に話しかけてるところを考えると





ゾッとするほどになった。






「んも〜〜〜〜これだから恋愛初心者は。」


「しょ、初心者じゃねぇよっ!!」






はいはい、と横尾さんにあしらわれるのも仕方ない。





なんせ初恋だし。






「今までみたいに『命令だ。』って言ったら聞いてくれるかなぁ」




「いやいやいやいやいや、それはやめとけ」




それは好きな人にとる態度じゃないだろ、と横尾さんに諭される。






まぁ、確かにそうなんだけど。







じゃあどうすればいいんだよ





氷が溶けたせいで薄い味のコーヒーをずずーーっと吸って飲む。









「……ちゃんとはっきりと、好きって言わなきゃ。

逃げちゃダメじゃん。

逃げられないように、みっちゃんも立ち向かわなきゃ、ね?」





「……みっちゃん言うなって。」






わかってるって〜☆と笑いながら、逃げんなよ、頑張れよ、って目で俺を見てくる。





ほんと、横尾さんはすごい。






「……ありがと」





「普段からそれぐらい素直ならいいのにね。」






「うるせぇよ」






「ふふっ。いい報告待ってるよ。」









好き、って伝えよう。







と、心に決めたんだ。俺は。








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作者名:ちぇりリン | 作成日時:2017年10月15日 4時

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