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ついに試合当日の日になった。
病院で足を見てもらい、急いで学校へと向かった。自分でも軽い捻挫と思っていたがやっぱりそうだったみたいだ。
学校の体育館で見たのは凄い光景だった。
百六十センチくらいしかない選手が、ブロックが付いてこられないような速さで、しかも凄く飛んでいる。
驚いたのはそれだけではない。
影山のトスについてこれている。
……否。飛雄が合わせているのだ。
自己中な王様が、あのコート上の独裁者と言われていた後輩が、まさか他人に合わせているなんて。
本当に面白い。そう思った。
「…………アップは？」
「バッチリです！」
少しげんなりしている入畑に、指で丸を作り、笑ってそう返す。
そして、ピンチサーバーとして国見と変わってもらった。
「及川さん頑張ってー！！！！」
その黄色い歓声を隅に追いやり、集中する。少しばかり緊張しているのは飛雄に見られているから緊張でもしちゃってるのかな。情けない。
ボールを片手で持ち、及川は月島を指でさす。お前を狙う。という合図だ。
ピッという笛が鳴った瞬間、ボールを頭上に放り、サーブを打つ。そのボールは月島の腕に当たり、威力を殺しきれなかったため、二階へと飛んで行ってしまった。
「……うんやっぱり、途中見てて思ったけどさ、六番の君と五番の君、レシーブ苦手でしょ」
笑ってそう言うと、月島は腕をさすりながら及川を睨み、日向はギクッと分かりやすい表情を見せた。
それが面白く、少し笑ってしまう。
なんとなく不意にAの方を見ると、目を見開き、口元に弧を描いていた。
その瞳に何故かゾクっと背筋に寒気が走る。Aをみていたら、まるで一つ残らず喰われているような気持ちになってしまう。
だが今は試合中。なんとか気持ちを持ち直し、三本目のサーブを打つ。
月島をずっと狙い続けることに決めたのだ。一回決めたことは曲げないようにしている。だから威力が落ちてしまうのを感じながらも、月島をピンポイントで狙い続けた。
今度は拾われてしまったが、青城のチャンスボールだ。
フワっとレシーブし、矢巾が金田一にトスを上げる。
＿＿金田一の打点はもう少し高いはず＿＿
俺ならできたのに。そう心の中の黒い何かが渦巻いた。
向こうに返ったボールは影山の手で日向に上げられ、彼は烏が飛ぶように点をもぎ取っていった。
一瞬の静寂。
少し自分の息が止まってしまったのを感じた。
……飛雄に、負けた。
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抹衣(プロフ) - はましおんさん» コメントありがとうございます！スペースはスマホでは出来なくて……わざわざpcでやっております(笑)小説風になるべくしたくて……。応援ありがとうございます！更新ペースが凄く遅いですが、気長に待ってくれると幸いです(笑) (2019年7月14日 10時) (
レス) id: 4a9e0cfb60 (このIDを非表示/違反報告)
はましおん(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです。改行の後の全角スペースもちゃんとやっていてすごいなと思いました。応援してます！ (2019年7月14日 7時) (レス) id: 02bd72d94d (このIDを非表示/違反報告)
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