☆パパになる 6【Motoki】【ピエさんリクエスト作品】 ページ39
こんなに辛そうなAは、初めて見た。
俺の目からは、思わずとも涙が伝う。
陣痛が急に始まって、タクシーで病院に連れてきた。
すぐさま、病室に入れられる。
彼女の額には大粒の汗。
顔を歪めて、どうにも呼吸も荒い。
涙目の彼女が、おもむろに、こちらに手を伸ばす。
俺はその手をしっかりと掴んだ。
｢頑張れ。｣
俺がそう言うと、彼女はちょっとだけ頷いたように見えた。
彼女が力むと、俺の手も強く握りしめられる。
俺も、その手を強く握り返していた。
どうか、どうか。
彼女も子供も元気で、無事で、ありますように。
それを願い続けて。
目の前が、涙で滲んでも、決して目は逸らさなかった。
すると急に、はらりと彼女の腕から力が抜ける。
それと同時に、弾けるような産声が部屋いっぱいに響いた。
ぱっと彼女の方を見ると、力無く微笑んでいる。
俺も、ほっとして、足の力が抜けてしまいそうだった。
産声は、止まない。
とても元気に、響き続ける。
嬉しかった。
これ以上の幸せはない、そう思った。
｢お疲れ様。頑張ったね。｣
震える声で、彼女に言う。
彼女は、ちょっと掠れた声で、
｢よかった…。｣
とふわふわ笑った。
｢ありがとう。本当に、ありがとう。｣
俺は、彼女の頭を撫でる。
繋がれた手と手は、今までで一番熱を持っているように感じた。
｢元気な男の子ですよ。｣
という看護師さんの声で、振り返る。
そこには、水色の毛布にくるまった、小さな生命が、
彼女から生まれた俺達の子供が、いた。
俺の瞳は、また熱を持つ。
｢抱っこ、してもいいですか？｣
俺が尋ねると、看護師さんは優しく微笑んで、赤ちゃんを渡してくれた。
少しの重さ。
だけど、ここには生命が。
新しい生命がいるんだ。
少ししゃがんで、彼女にも赤ちゃんの顔を見せる。
彼女は、嬉しそうに微笑んだ。
新しい家族。
これから、一緒に歩んでいく。
俺の腕に伝わる、赤ちゃんのあたたかさが、
『よろしくね。お父さん、お母さん。』
と言っているようで、嬉しかった。
*:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:+・ﾟ・✽:.｡..｡.:
いかがだったでしょうか？
やっぱり、妊娠のテーマは難しいですね…。
楽しんでいただけたら幸いです。
もっと文才が欲しい(泣)
リクエスト、本当にありがとうございました！！
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バニレ - え、とにかく全部最高なんですが……//// (2019年8月14日 19時) (
レス) id: a982cf7980 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ひよさん» コメント、ありがとうございます！！ ほのぼのと、ふわふわと読める感じのを目指しております！ これからも頑張りますね！！ (2018年1月14日 19時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ひよ - ほのぼのしますね(о´∀`о)これからも頑張って下さい！ (2018年1月9日 17時) (レス) id: 9013a0ca57 (このIDを非表示/違反報告)
sena_earlybirs(プロフ) - ありがとうございます！wakameさんの描くお話が本当に好きなので、楽しみにしてます！ (2017年8月4日 10時) (レス) id: 165c468189 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - sena_earlybirsさん» なので、またチェックしてみて下さいね！！ (2017年8月2日 23時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
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