検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:347,540 hit

☆遊園地デート よん【Silk】【*☆明蛍☆*さんリクエスト作品】 ページ33

それから、こちらを振り返った諒は、見たこともないぐらい心配そうな顔をしていた。

「大丈夫か?」

彼の声は震えている。

「大丈夫だよ。ありがとう。」

私はそう言って頷くと、ペットボトルを持っていないほうの手で、私の手を掴んだ。

そして、ぐいっとそちらに引かれて、彼の胸に飛び込む。

いつもよりも、力強く抱きしめられた。

「ごめんな。」

小さな声、彼らしくない。

私は、わざといつもよりも元気めに、

「大丈夫だよ。気にしないで。」

と笑った。

それから、彼は私から離れると、


「決めた。」


と言う。

『何を?』と尋ねようとした、私の言葉は、彼の真剣な瞳に、喉の奥で消えていった。



「俺が、Aを、一番近くで守る。」



彼はそう言ってから、ショルダーバッグの中から何かを取り出す。

それから、

「手。」

と言われて、言われた通りに右手を差し出した。

すると彼は、少し笑って、


「左手。」


と言う。

そこで私は、あっと気づいて、目の奥が熱くなっていくのを感じた。

左手を差し出す。

彼は、照れくさそうに微笑んでから、


私の薬指に、銀色に光る輪を滑らせる。


それから、そのまま私の手を彼の両手で包んで、



「俺の隣、お前にあげる。」



なんて言った。


薬指から、あたたかい気持ちが流れ込んで来るような感じがする。

私は大きく頷いた。


「私の隣も、あげる。」


声は、震えている。


彼は、ちょっとはにかんでから、そのまま私の手を引く。

それから、いつもみたいに、

「観覧車、乗ろ!」

と無邪気に笑って走り出した。

私も嬉しくって、スカートが翻るのも構わずに、走る。



2人の笑顔は、

夕暮れの遊園地

キラキラ光る電飾達の中でも

一番に輝いていた。




*:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:+・゚・✽:.。..。.:

いかがだったでしょうか…!

デートって言えるのかな…(苦笑)

楽しんでいただけたら、幸いです。(汗)

リクエスト、本当にありがとうございました!!

☆パパになる 1【Motoki】【ピエさんリクエスト作品】→←☆遊園地デート さん【Silk】【*☆明蛍☆*さんリクエスト作品】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
392人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

バニレ - え、とにかく全部最高なんですが……//// (2019年8月14日 19時) (レス) id: a982cf7980 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - ひよさん» コメント、ありがとうございます!! ほのぼのと、ふわふわと読める感じのを目指しております! これからも頑張りますね!! (2018年1月14日 19時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)
ひよ - ほのぼのしますね(о´∀`о)これからも頑張って下さい! (2018年1月9日 17時) (レス) id: 9013a0ca57 (このIDを非表示/違反報告)
sena_earlybirs(プロフ) - ありがとうございます!wakameさんの描くお話が本当に好きなので、楽しみにしてます! (2017年8月4日 10時) (レス) id: 165c468189 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - sena_earlybirsさん» なので、またチェックしてみて下さいね!! (2017年8月2日 23時) (レス) id: 98da65900a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:wakame | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年5月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。