検索窓
今日:23 hit、昨日:36 hit、合計:299,009 hit

勘違い ページ34


ウォヌさんの瞳が私を好きだと言ってる。
私たちは…同じ気持ち。
彼の眼鏡を持っていた手をそっと下ろす。
ジージー
蛍光灯の音と遠くで車の走る音が聞こえた。
そしてシンクにお皿が置かれる音。
ウォヌさんが体ごとこっちを向く。
もう一度、見つめ合って、高まる期待に胸を膨らませながら、お互いに顔を近づけたときだった。

え?
ふいに私を見つめてた瞳が揺れた。
ぱしっと奪われた眼鏡。
濡れた手で眼鏡をかけると、シンクに向き直って、何事もなかったかのように食器洗いを再開し始めたウォヌさん。
私がぼんやりしてる間に、全部のお皿を洗い終えると、タオルで濡れた手を拭き、ちらっと私に視線を投げてから

「帰るね。」

卓上に置いてた携帯に手を伸ばすと、そのまま玄関へ向かっていく。
ドアが開けられる音が耳に入って、ハッと我に返り、慌てて玄関に向かうも
バタン
閉められたドア。
一気に突き放された感じがして、その場にしゃがみ込む。

「…なんで…?」

じんわり、滲んだ涙。
しばらく玄関から動けなかった。

朝。
もし彼に会ったらどうしよう。
いつもどおりに接せるか不安だったけど、そういえば、ご飯食べてたときに、明日はお休みだって言ってたんだった。
ウォヌさんのお部屋のドア見つめてたら、泣いちゃいそうになって、早足で廊下を駆け抜けた。

「…嫌われちゃいました。」
「ああ、Aちゃん…」

朝礼が終わるなり、ユヨンさんに泣きついた。
少し前に
もうそろそろあるでしょ
言ってくれてたし、実際私も期待してただけに、昨日の出来事はホントにショックだった。

「…私の勘違いだったんですか?確かに、好きとは言われてなかったですけど…でも、でも…」
「ううん、私がAちゃんでも期待するよ。…ねえ、ネコ警官、もしかして…経験なかったりする?」
「えっ?き、聞いたことは、その、ないですけど…女の子に慣れてない感じはしないし…でも!手慣れてるワケでも別に…分かんないです…」
「…そう。ああ!こっちがモヤモヤする!」

ユヨンさんはいらないメモ用紙を丸めたあと

「もう本人に聞いちゃったら?」
「ええ…」
「それが一番早いでしょ。」

どう聞けばいいのか分かんなかったけど、仕事から帰ってきて、自分の部屋の前で鍵を取り出したとき、ちょうどお隣のドアが開いて、出てきたウォヌさんが私の存在に気づいた瞬間、自然と聞いてきた。

「ウォヌさん、私のこと、好きじゃないですか…?」

久しぶりの→←私のこと



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (356 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1240人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , セブチ , ウォヌ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:余暇 | 作成日時:2024年9月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。