工藤新一の兄弟 ２０

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｢ちなみに、あの犬矢来はあらかじめ夜中にでもあの跡を描いておき、その上から一回り大きな犬矢来を被せたんだよな？そして犯行後、その犬矢来を外してあの跡をあらわにし、別の店の犬矢来に被せたんだ｣


阿賀田さんに言われる前に答える真純ちゃん。その犬矢来を警察が調べると色々出てきてるらしい。凶器とかカッパとか…

その凶器には指紋なんてないだろう。だから3番目の暗号で全ての罪を馬山さんの犯行に見せかけ終わらせるつもりだったんだ。

でもそんな事させない。言い逃れできないように一つ一つ潰していく。そして残る謎はあと一つ…。


「な、何言ってんだ！？

見ただろ？馬山は自分で柵を乗り越えようとしてたじゃないか！！きっとアイツも何かに取り憑かれていたんだよ！！」


でも犯人を突き止めてる時点で謎はもう謎ではない。


「付いてるんは赤い足跡が描いたあるこの透明な静電気付箋だけや…。この上に床板と同じ色塗った付箋重ねたら足跡隠せるやろなァ…」


服部さんがそう言いながら足跡の描かれた付箋をハンカチで拾い上げた。

その床板と同じ色の付箋に細いテグスを付け1枚1枚めくれば、馬山さんには血の足跡が迫って来てるみたいに見えたって事になる。


「それに加えてこの指向性スピーカーで馬山さんだけに恐ろしい声を聞かせれば…必死で逃げようとするのも無理はない…」


近くの柱にあったスピーカーを新一が見つけ再生すると『許さない…』と言った恐ろしい声が聞こえた。


付箋もスピーカーも馬山さんのジサツの騒ぎに乗じて回収するつもりだったんだろうけど、出来そうにないわね…。それに恐らく指紋もついてるはず…もう言い逃れは出来ないだろう。


あとは阿賀田さんが動機を話すだけ。何故、罪を犯したのか…。

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