工藤新一の兄弟 ２０

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手が伸びてきたけどそれよりも先にその天狗に膝蹴りを入れた人が居た。


(うわっ痛そー…)

｢お嬢様…お怪我は？｣
｢大丈夫です…｣
｢誰…？｣


現れたのは伊織さん。
伊織さんは、恐怖で泣いた紅葉さんの肩に手を置き優しく聞いた。
園子ちゃんは伊織さんの登場に目が点になっている。


｢くそー捕まってもうたかー…｣
｢何やお前らどういうつもりじゃ！？｣


服部さんの声が聞こえて見ると服部さんは天狗の胸ぐらを掴んでいた。天狗の人は面を取って説明してる。


｢ネットで募集してたんや！天狗の面付けて木屋町通を走り回ったら前金で10万！30分誰にも捕まらへんかったら100万くれるって…｣
｢ホンマかそれ？｣

｢おい服部！今、店にはあの4人だけか？｣


新一も天狗の人から聞き出したのかこっちに来た。チラっと服部さん越しに見ると真純ちゃんが捕まえていた。

……捕まえる時胸ぐら掴んで聞くんだね、皆。


｢アカン！店に戻らな！！｣


ーー



急いで店に戻ると犬矢来に足を乗せて血を流して倒れている人がいた。

俳優の井隼さんだ。


｢頸動脈をザックリや…｣
｢また逆さでタンコブ2つ付けられてるな…｣


目の前で服部さんと真純ちゃんがそう話している。私はというと具合が悪くなって目を逸らしていた。


｢しかしけったいな犯人やな…。殺す前に時間かけてこないな跡付けて、この人呼び出して殺したんやろうけど…｣
｢や…違っ…｣


服部さんの推理を、違う、と言おうとしたけど気持ち悪さが込み上げてきて声が出なかった。


｢ん？なんや？｣
｢Aの言う通りだ。
オレ達がここを離れる10分前には、こんな跡なかったぜ？｣

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