【文スト】その少女、実は______

勉強会 ページ33

「じゃあ、早速勉強よ」

そう言えば於菟は嫌そうな顔をする

こんなに直ぐに表情が変わる子が本当に機械の真似をしていたのだろうか

「私達は細胞を組み替えられてるから普通とは違うところがある」

そう言って貸してもらったホワイトボードにペンのキャップを外す

「違うって何が？オレ普通じゃないの？」

「いや、一点だけが違う」

そう言って書き込む

「体の、治りが異常に早い」

「……普通じゃないか？」

「普通は、骨折したら何ヶ月もかかる場合もある。だが私達は数日で治る」

そう、少し前に私が骨折した際判ったこと

「それと、私達はモデルとなる人の細胞を貰っている。だからかは知らぬが……向こうが死ねば私達は死に、私たちが死ねば向こうも死ぬ可能性がある」

「え……それって、彼奴が死んだからオレは死ぬってこと？」

そう言われて首を振る

「まだ実験中だが、その時は黒い影が活躍しなかった」

「……正体を知ってるのか？」

「ええ、大体」

そう言ってため息を吐く

「ただこれは仮定だから其処まで心配はないだろう。因みに、君が此処にいてもあの人は気にしないかな」

そう聞くと頷く

「あの人はずっと……気にしない。一度任務の時間がかかって帰るのが一週間になっても心配なんかしなかった。帰ってきたのにも気がついていなかった」

「では安心ですね。一週間であの人を……」

そう呟いてからペンにキャップをはめる

「あの人から解放される術を探しましょう」

そう言ってホワイトボードの文字を消した

幹部→←名前

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す