文豪達との青春 【学スト】

古典の先生 ページ5

「古典の担当の尾崎紅葉じゃ」

三時間目は古典

尾崎先生と言う方が担当らしい

凄く美人

「では……初日故に今回は文を読むだけにしよう。次の時間からは予習を教科書六文分ノートに品詞分解することじゃ。では教科書の十八頁を読むぞ」

そう言われて教科書を開く

伊勢物語か……中学校の時にやったな

「では……鏡花からじゃ」

「……昔、男ありけり」

芥川という題名の章

ふとなんとなく外を見ると桜の木が見えた

その木の下に、男性が見えた

その男性が首をつっていた……？

「はあ！？」

思わず立ち上がると尾崎先生が驚いたように私を見る

「な、なんじゃA？」

「尾崎先生！男子生徒が首吊ってます！」

そう言えば尾崎先生は少しキョトンとしてから服の袖で口を隠して笑う

「気のせいじゃろ」

そう言われてもう一度見るが如何しても私には見える

ふわっとした茶髪と背が高めの……あれ？

「あれって、太宰……さん？」

兄さんの友達が自 殺していた

……え、どうしよう

「……Aや」

「あ、えっと……芥川といふ河を率て行きければ______」

そのまま読みながら頭の中では

このままでは絶対に普通の学生生活はできない

故に、太宰さんは放っておこう

そう考えていた

だが、哀れな程その考えは折られた

読み終わったと同時に

「あー、Aちゃーん！」

首に縄を巻いたままの疫病神が大声で私の名を呼んだのだった

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