文豪達との青春 【学スト】

犬猿の仲 ページ29

「ただ今帰りました〜全く、毎度生活指導の先生は懲りないねぇ」

「貴方が一番懲りてません」

そう言えば太宰先輩が爽やかに笑う

「じゃあ太宰来たし……王子と王様、白雪姫の絡みをしようか」

そう言われて台本を開く

「白雪姫〜こんな所に居たんだ________」

「気持ち悪いです近寄らないでください変態」

「す、凄ェ早口だな……」

「王様は王子を見ました。すると、王様と王子は同じことを思っていました」

「「なんか此奴気にいらねェ/ない」」

息ぴったり

「……悪いけど、白雪姫は私の婚約者だから」

そう言って太宰先輩が私の腕を引いて引き寄せる

「は？誰が婚約しますか！貴方みたいな奴と」

「……こ、此奴は俺のもんだ」

そう言って次は中也さんが私を抱きとめる

……ダメだ、心臓が持たない

「だ、誰のものでもないですから！」

そう言って必死に抵抗する風に腕を振り払う

「でも……王様は私を城に住まわせてくれた恩人です。何方かと言われたら王様が、良いです」

台本に書かれたように照れながら言う

「きゅ、急に乙女になんなよ！」

「人が素直になったのにその言い方はないでしょう！」

そう言って顔を逸らす

「はーい。良いよ。予想以上に演技上手いね皆」

「まぁな」

「中学校の時の経験でしょうか」

「ほぼ素でやったけどね」

口々にそう言いながら笑う

「次は王様と王子の喧嘩ね。白雪姫はその間その場で呆然と立ち尽くしてから家に入って料理を作るシーン」

白雪姫随分と気ままだね……

過保護な兄→←優しいお姫様？

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