文豪達との青春 【学スト】

クレープ ページ19

通学路から反対側

美味しいと評判のクレープ屋さんは中々の賑わい

同じ制服の子も見かける

「あ……」

「……Aか」

「芥川さん、こんにちは」

「……兄さん、この人は？」

そう言って芥川さんの後ろから姿を見せた女子生徒

長い黒髪に大和撫子な雰囲気

声が可愛い

でも、何でかマスクをしている

「銀、一組のAだ」

「澁澤Aです。芥川さんの……」

「妹、です」

そう言ってクレープを持ちながらぺこりをお辞儀する銀さん

「おーい、銀……って」

「あら……また誰か」

「立原道造……去年同じクラスだった」

「おー……」

同じ学年の子達が集まった

「芥川さんは何故此処に？」

「樋口に勧められて……あれが樋口だ」

そう言って芥川さんが目線で見たところに

その場で固まっている金髪の女子生徒

「あ……芥川先輩が、いつの間にか女性と……」

あ、もしかして……

「一年一組の澁澤Aです。芥川さんとは先刻あったばかりです」

そう言えばハッとしたように

「二組の樋口一葉です！あ、芥川先輩は無花果で良いですよね」

「すまんな」

「Aちゃ〜ん、はい、どうぞ」

「え、ありがとうございます……」

太宰先輩がいつの間にかクレープを買ってきてくれていた

芥川さんを見ると

真剣な表情で太宰先輩を見ていた

「えっと……？」

「芥川先輩？」

思わず、一葉さんとお互いに目を合わせて首を傾げた

「「知り合いですか？お二人は」」

同時にそう言うと

「……ああ」

「少しね」

そう言って太宰先輩は笑って誤魔化しながら食べ

芥川さんは無言で食べ始めた

謎の組み合わせ→←奢ってください

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す