http://収束して、解かれる ページ36
朦朧とする頭
ぼんやりとした意識のまま、腹の上に何か乗っかってんな、なんてすっとぼけた事考えてて
靄がかかった視界が徐々にクリアになり、ガッツリ密着していたガキとばっちり目が合った
『おいコラ何してくれてんだガキ』
くっっそ不本意だが、ガキに回していた腕(多分やらせ)を振りほどき起き上がる
やらせだやらせ。誰だこんな事した奴は
『...言い訳ぐらいならさせてやる』
「いや、これはAさんが__」
『あ"あ"?責任転嫁か?ミラクルフィスト喰らうか??』
「大変申し訳ございませんでした」
土下座しそうな勢いで頭を下げるガキ。不本意だが見逃してやる
『っ、て今何時よ』
はっと思いだし電源を入れたスマホの画面に白目を剥いた
『はっ!?うっそだろ仕事間に合わない!!』
今尚頭痛の収まらない頭を振って立ち上がる
が、立ちくらみで前屈みになるのをハイネックが腕を掴んできた
「今日の仕事は控えておいた方がいいかと。貴方の仕事先にも連絡を入れておきましたし」
パツキンのまさかの言葉に目を見開いた
『な、に...勝手な事してんだよ!!!ふざけんな!!!!』
本当に気分を害する。ここに来てから取り乱してばかりだ
ついでにハイネックの掴む手も雑に振り払う
『欠勤なんて一度も無い。疲れだの風邪だのもっての他
...私には、この仕事しか無いんだよ』
眉を寄せたと同時にこめかみ辺りに伝う冷や汗
整わない呼吸
『私から、仕事をとらないで』
元から何も持って無いのに
これ以上何を失えばいいんだ
「__僕達はただ、収束する真実を知りたい」
ガキの眼鏡レンズが怪しげに光る
__なら、
『...間違いを消していって、最後に残ったものだけが真実だって掲げるなら
__真実は時に残酷だ』
それを信じる術しか与えられないなら、私は真実から目を背けるし背中を向けて逃げもする
いつの時代も目に見えるものだけが真実だとは言い切れない筈だ
『...あんたらと次会う時は__いや、わざわざ言う必要はねぇな』
過ち、誤り
何処で踏み外したかと問われれば、多分ガキの頃
『__。』
閑静の中、静かに宿した怒りをぶつけ扉の外側へ駆け出した
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紫苑(プロフ) - うぐぅ...こんな子供たちいたら胃に穴が開く...絶対...二次元だから良いけど() (2月13日 5時) (レス) @page14 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 号泣して枕びしょびしょなんですど (2月12日 1時) (レス) @page49 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
りと - おっと目頭が熱く…。白の心も黒の心も持ち、どちらの立場にも影響を受け、でも自分を突き通す夢主…カッコよすぎか??コナンとの関わりがめちゃ好き…お互いに隠し事があって、互いにそれを分かってるし何も言わないけど大切な存在となって…最高やな…お疲れ様です。 (2月2日 16時) (レス) @page50 id: 8e83563274 (このIDを非表示/違反報告)
たうふ(プロフ) - ジンと高田の最後にも納得がいきましたし、わざわざコナンの墓を立てるとかいう神エピソードを書いてくれてありがとうございます…泣きました。とても感動しました。素晴らしい作品を有難うございます!! (8月14日 1時) (レス) @page50 id: 8ce4de47eb (このIDを非表示/違反報告)
月無夜 蓮依乃(プロフ) - めっちゃいい話ですね…作ってくれてありがとうございます…個人的には最後一緒に死んでほしかったな… (2023年1月26日 2時) (レス) @page50 id: 6d50191cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年5月12日 23時