http://クローズinポアロ ページ3
早朝7時
まだ誰も居ないポアロの扉を押し開ける
今日は暑くなりそうだと窓から空を見上げアイスコーヒーを多めに作り、材料を仕入れる
野菜を一定のテンポで切るリズムの中に扉を軽く叩く音が耳に届き顔を上げる
まだクローズプレートを掛けた扉の前に誰か佇むのを見つけ、不審に思いながらも歩み寄った
「どうされました＿＿」
開けた先に居たのは高田Aさん
僕よりも幾分か低い背丈が見上げた
『営業まだ？』
「クローズプレートかけてあった筈ですが...」
『見えなかった。まだ誰も居ないなら入れて』
承諾を得る前に僕の懐をすり抜け店内に侵入される
「準備中なので注文は多少遅れますが」
『必要ない。時間もて余してるから暇潰しに来ただけ』
「何の暇潰しですか？」
『＿＿死後処理。今現場検証してて中に入れない』
時計の針を見つめるAさんとオープン準備に手をかける僕
不意に彼女が口を開いた
『パツキンって、組織の人間だったんだ』
横目でその姿を盗み見れば彼女もまた僕を見ていた
「...ここは喫茶ポアロ。アルバイトで雇われた安室透しか居ませんよ」
『あっそ。別にしらを切ろうが誤魔化そうが私には関係ねぇけどな』
心底どうでも良さそうに時計に視線を戻した彼女に作業する手を止める
「＿＿Aさんは、誰の事も名前で呼んだりしませんよね」
コナン君や少年探偵団の子達は問答無用で全員ガキ呼ばわり
あの忌々しいハイネックはハイネック野郎。これには僕も共感だ
そして僕はパツキン
「僕はパツキンじゃありませんよ」
『え、じゃあその髪何色なんだ...』
「そういう事ではありません」
溜め息混じりにいつもの営業スマイルを浮かべる
「安室と呼んで下さい」
『は？理解に苦しむ』
相変わらずキレのある毒舌で片付けようとした彼女
『そもそもアンタ安室って名前じゃねぇだろ』
疑問ではなく核心をついた言い方
一瞬焦りが出たが表情には出さなかった
『ジンさんはそもそも表に出ない。ベルモットさんは本名で舞台に立ってるらしいけど素顔は隠してる
＿＿じゃあお前はなんだ。変装する訳でもなく表向きは客にサービス提供する店員。裏向きはその名を馳せる情報屋
...そんな奴が本名晒け出してカウンターに立ってるのは理解し難いんだが？』
それに、と繋げたAさんは静かな眼差しを向けた
『ガキ共に罪はねぇからな。＿＿そんな奴がガキをそっち側に引きずり込むなよ』
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紫苑(プロフ) - うぐぅ...こんな子供たちいたら胃に穴が開く...絶対...二次元だから良いけど（） (2月13日 5時) (
レス) @page14 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
玲生(プロフ) - 号泣して枕びしょびしょなんですど (2月12日 1時) (レス) @page49 id: 7f34fd14ff (このIDを非表示/違反報告)
りと - おっと目頭が熱く…。白の心も黒の心も持ち、どちらの立場にも影響を受け、でも自分を突き通す夢主…カッコよすぎか？？コナンとの関わりがめちゃ好き…お互いに隠し事があって、互いにそれを分かってるし何も言わないけど大切な存在となって…最高やな…お疲れ様です。 (2月2日 16時) (レス) @page50 id: 8e83563274 (このIDを非表示/違反報告)
たうふ(プロフ) - ジンと高田の最後にも納得がいきましたし、わざわざコナンの墓を立てるとかいう神エピソードを書いてくれてありがとうございます…泣きました。とても感動しました。素晴らしい作品を有難うございます！！ (8月14日 1時) (レス) @page50 id: 8ce4de47eb (このIDを非表示/違反報告)
月無夜 蓮依乃(プロフ) - めっちゃいい話ですね…作ってくれてありがとうございます…個人的には最後一緒に死んでほしかったな… (2023年1月26日 2時) (レス) @page50 id: 6d50191cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンドウ | 作成日時：2019年5月12日 23時
