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事務所の入り口に今日も多くのペンがいた。
俺らよりも少し先を歩くA。
ユラヌナと話ながら笑ってる。
同じ音楽番組に行くから一緒だった。
最近は一緒に移動も少なかったから
メンバーは俺も含めてすこし浮かれてた。
ガラス張りの入り口に視線を向ける。
ペンの顔をちらっと見ると見覚えのある顔。
あの子は熱狂的なジョングクペンだ。
サセンなんじゃないかってくらいの。
一時期ジョングクは本当に怖がってた。
どこに行くにもいつもいたから。
事務所も警戒してた相手だ。
なんでここにいる？
Aがドアからでて行ったとき、
その子は怖いくらいに笑ってた。
嫌な予感がして駆けだす。
肩がぶつかったユンギが文句を言ってるけど、
そんなの構ってられない。
ナムジュンが俺を呼んでる。
でも止まっちゃダメな気がした。
あと数メートルの距離なのに届かない。
キャーーーーーーーー
ペンの叫び声が聞こえる。
なんで届かないんだよ。
こんなにも手を伸ばしてるのに。
顔面蒼白なヌナが叫んでる。
警備員があの子を取り押さえてる。
俺の腕の中のAはぐったりしてる。
真っ白いコートが赤く染まっていく。
温もりが逃げないように強く抱きしめる。
駆けつけて来たメンバーが怒鳴ってる。
ユンギが大きな声をだしてる。
ナムジュンが泣いてる。
ホソクが持ってたタオルをAに当ててる。
テヒョンがあの子に飛び掛かりそうなのを
ジミンが必至に取り押さえてる。
ジョングクが立ち尽くしてる。
「・・・っ・・・オッパ・・？」
JN「A！喋っちゃだめだ！」
絞り出したような声。
それに反応してジョングクが駆け寄る。
いつもとは違って足がもつれるように
Aに倒れるようにして近づく。
JK「…A…。」
「・・・強い子・・・は・・・泣かな・・いの。」
そう言ってAはジョングクの頬を伝う
涙を手でゆっくりと拭う。
そのまま手がだらりと下りる。
そして閉じていく瞼。
救急車がきてAを連れて行く。
自分に残っているAの温もりが無くなっていく。
それがすごく怖くて自分をぎゅっと抱きしめる。
するとホソクが俺を抱きしめてくれた。
マネヒョンが俺たちを引っ張って車に乗せる。
誰もしゃべらない車内にすすり泣く声だけが響く。
ジョングクの頬にはAの指の跡が
真っ赤に残っていた。
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作者名：V.V． | 作成日時：2017年4月20日 22時
