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今週末にはギョンスの誕生日がやってくる。
それは同時に私の誕生日とジョンイン君の誕生日も
立て続けにくるということを意味している。
ギョンスと約束もあるけど、
EXOのみんなが一緒にお祝いしようと言ってくれた。
その日はストリートライブをする日。
ユナオンニによると事前に告知をしないで
始まる直前に私のSNSのアカウントのみで通知する。
人前で演奏するのは慣れない。
それを変えるためらしいけど、大丈夫だろうか。
スケジュールは先々まで決まっている。
デビューステージまでも１月を切っている。
日本でのドラマの撮影にも参加してきた。
それもライブハウスで歌うことがメインだったから
特に演技をしたというわけじゃない。
いくつか雑誌の取材も受けた。
そして日本のレコーディング会社からの依頼も受けた。
楽曲提供の話やコラボの話など。
練習室でピアノの鍵盤の上に手を乗せる。
流れる、不協和音。
その音がさらに頭痛をひどくさせる。
なのにその痛みが欲しかったのかもしれない。
生きてる、証のような気がして。
「お、音沈んでるな。」
「！！！！」
「疲れてるのか？」
「キムさん。」
「自信もっていけばいいだろ。
BUNNYの声は唯一のもんだ。」
「私は・・・・好きじゃないです。」
「自分の声をか？」
「はい。」
「BUNNY…いやAの音は不安定なのがいい。
それはその心の弱さまたは脆さが出ている。」
「・・・・・。」
「そうは思うが、Aが壊れてしまうのを
望んでいるわけじゃないんだよ。」
「キムさん・・・・。」
最初に私の歌声を認めてくれた人。
いまもボイストレーニングをしてくれる。
声が出しやすくなったのも、
長時間歌っても枯れなくなったのも、
キムさんがトレーニングしてくれたから。
「上がまた言って来たか？」
「・・・・・・。」
「気にするな、と言いたいところだが。
無下にもできんだろうしな。」
「・・・・はい。」
「味方もいる事忘れるなよ。」
キムさんの言葉にノイズが減っていく。
古いレコードのようだった音が、鮮明になっていく。
同時に響いた音。
キムさんが去って行く足音と一緒に
鍵盤に指を走らせた。
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作者名：V.V． | 作成日時：2018年6月18日 0時
