66-過去(3) ページ19
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父はよく笑う人ではなかったけれど、優しい人だった。
出来の悪い私に対して叱ったりしなかった。
国民や家族のことを第一に考えて行動していた。
たまに「パパ」と呼ぶと、滅多に見せない照れ臭そうな笑顔を見せてくれたっけ。
私はそんな父が大好きだった。
父は夜のうちに国宝を抱えて1人で船に乗り海に出たのだ。誰にも、私やレアにさえ何も告げずに。事後ではこれだけのことしか読み取れないけれど。
____国王は国を捨てて逃げたのではないか
物理的証拠から、それは簡単に推察された。
誰が見たってそうだろう。
国王が夜中に宝を持ってこっそり海に出ていたら。
天上金のことで追い込まれていた国民は、父が裏切ったのだと怒りに燃えた。
私は違うと言い張りたかった。
父はそんなことをする愚かな王ではないと。
でも声は国民には届かなかった。
私とレアは裏切り者の娘となった。
それでも、新たな王を、後継者を探す時間はなかった。こんな事件があったからといって、天上金の納期が延長するわけではない。
父の死を悲しんで涙を流す暇もなかった。
とりあえず、王女の地位にいた私が、父の代わりを務めることになった。国民は納得していなかっただろうけど、タイムリミットも迫っていたので渋々受け入れてくれた。
私はとにかく必死だった。
なんとかしてお金を集めなければと。
レアの力も借りて、やれるだけのことはやった。
結果的に、その年の天上金はなんとか献上できた。
人生最大の安堵の溜息を吐いたことを覚えてる。
この時の私とレアの頑張りが評価され、一時的に失われていた信頼も回復しつつあった。……表面的には。
そして迎えた今年。
私はまた頭を抱える羽目になった。
足りないのだ、用意しなければいけない天上金の額が。換金する予定の財宝を足したって駄目だ。億単位で足りない……。
私とレアの貯蓄なんてほぼ無いも同然だし、国民からこれ以上絞り取るのも無理そうだし。
どうすればいい？
出来の悪い頭でたくさん考えた。
父のようになってはいけない____。
国を守らなければ。
お金が欲しい。
でもこの国にはそんなお金がない。
じゃあこの国以外は？他の国は？
何かお金を得る方法はないの？
三日三晩悩んで、答えは朝刊を読んでる時に出た。
新聞に挟まれていたのは、海賊の手配書。
「……懸賞金」
これしかない、と思った。
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ぱぅち(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます…！！（ ; ; ） 新作の構想を練っています！もう少々お待ち下さい(^^) 最後までお読み頂きほんとに感謝でいっぱいです！ (2020年7月20日 0時) (
レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回のローさんも楽しみです(´∇｀) (2020年7月18日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 恵那さん» お久しぶりです！無事完結して作者もホッとしております。笑 わわ、ローさんをもっと好きになって頂けたなんて嬉しすぎます（ ; ; ）書いた甲斐がありました！ 最後までお読みくださりありがとうございました！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - おそらまめさん» ありがとうございます…！完結後もお会いできて嬉しいです（ ; ; ）物語的にはこれでお終いですが、きっと2人の幸せはこれからきちんとした形になっていくのだと思います…！素敵な感想を頂けて光栄です。最後までお読みくださりありがとうございました…！ (2020年7月18日 21時) (レス) id: 755637e22b (このIDを非表示/違反報告)
恵那 - お久しぶりです！完結お疲れ様でした！！この作品に出会えて、ローさんの事がより好きになりました！本当にありがとうございました！！ (2020年7月18日 19時) (レス) id: 98e7f0577c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2020年4月5日 11時
