12-自覚 ページ12
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五条先生にしてはまともな回答が返ってきた。
五条先生にしては。
もっと茶化されるかと身構えたけど。
「まあ、何で付き合ってもないのにキスなんかしちゃってんのか意味わかんねぇけどさ、」
「…」
「結局は言葉にしなきゃ伝わんないんじゃないの？」
「！…」
すごい。初めて五条先生が先生に見えた。
目を瞬かせていると、頬にヒヤリと冷たい感触が。
「ぎゃっ！」と短く叫び、続いていちごオレを押し付けられていることに気づいた。
五条先生は私の反応にニヤニヤと楽しそうに笑う。
「って、お友達に伝えておきな。五条先生からのアドバイスってね」
「……ありがとうございます……」
五条先生はいちごオレを飲みながら、片手をひらひら揺らして去って行った。
1人取り残されて、手の中にあるいちごオレを見つめる。
言葉にしなきゃ伝わらない、か……。
五条先生に気づかされたっていうのは癪だけど、本当にその通りだとは思った。
言葉にするなら伝えたいことをまとめないといけない。
私は伏黒くんに何を言いたいんだろう。
…
彼に対して何かを思う前に、口付けを交わしてしまった。
嫌だった？と聞かれて考えてみたら、嫌じゃなかった。
それは多分、相手が伏黒くんだったから。
伏黒くんじゃない他の人だったなら、私は拒否反応を示していたと思う。
____ああ、そうか。この時点で答えは出ていたんだ。
いちごオレのパックを軽く握り締める。
この事実はストンと胸に落ちた。
浮かぶのは納得の一言。
私は伏黒くんが好きなんだ。
「(伝えにいこう)」
それで、彼から返事を貰う。
思い立ったら即行動。
私がラインとかで呼び出しても多分来てくれないだろうから、虎杖くんに頼んで連れて来てもらった。
授業が終わった後の教室に呼び出した。
伏黒くんは教室にいる私を見た瞬間、動きを止めた。
「……虎杖が教室に忘れ物して一緒に来いって煩いから着いてきてやったんだけど、」
「私が虎杖くんに伏黒くんを連れてきてって頼んだの」
「そーいうこと！んじゃ、約束通り今度焼きそばパン奢ってくれよな」
「おっけー！ありがとね」
虎杖くんは50メートル3秒の足で颯爽と走って行った。
残された2人の間で微妙な空気が流れる。
「……まだ、怒ってる？」
「うん」
「…」
即答……。
心が折れそうになるが何とか耐える。
頑張れ私。
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しろりん(プロフ) - 私もこのお話大好きで、何度も読み返してるんですが…ちょこっとだけ、おまけ程度に夢主ちゃんが恵くんの事を『伏黒くん』じゃなくて名前で呼んでるお話読みたいです…２年前に完結してますけど…気が向いたらでいいので…。😳 (4月25日 17時) (
レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
ささき(プロフ) - とても楽しく読ませて頂きました！これからも応援しています。 (2021年2月26日 18時) (レス) id: 0a7371db4e (このIDを非表示/違反報告)
夜空の星 - 最高でした！新作も楽しんで読ませてもらってます！ (2021年2月21日 0時) (レス) id: ab019124cf (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - かえさん» 暖かすぎるコメント頂けて嬉しいです〜！（ ; ; ）シリーズ化は考えていませんでしたが、書くの楽しそうですね！もしネタが浮かんだら書いてみようと思います！素敵なご意見ありがとうございます(^^) それと最後までお読みくださりありがとうございました！ (2021年2月18日 20時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
かえ(プロフ) - 本当に面白かったです！！毎日更新されるの今か今かと楽しみにしてました（笑）ぜひぜひ彼氏面してくるをシリーズ化して欲しいです、、！五条先生や他の人もみてみたい、、！ (2021年2月18日 0時) (レス) id: 26e6a6e1c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2021年2月11日 14時
