14-あっためて ページ14
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さあ、何から話そうか。
家に入るとすぐに暖房を付ける。
悟くんをソファに座らせている間に、自室に自分の荷物を片付けてしまう。温かい飲み物でも用意しよう。
リビングに戻り、「何飲みたい?」と尋ねてみるけど返事は無い。
?どうしたんだろ。
不審に思いつつ、彼の元へ更に近づいていく。
「A」
「ん?」
「寒い」
「ん、もう少しで暖房効いてくると思うから……」
「待てない。あっためて。今すぐ」
「え、」
勢いよく腕を引かれて、いつの間にかソファが背につき、視界には天井と悟くんが映っていた。
お茶でも飲みながらゆっくり話し合おうと思っていたのに、全くこの男は。
それでもそんな強引さにも惹かれてしまう自分がいて、抵抗せずに彼に身を委ねようと決めた。
何度も何度も触れるだけの軽いキスを繰り返す。
冷えた体温が愛おしい。
私の熱が移っていく。
体温を奪われるというよりも、共有している感覚。
「……A、あったかい」
嬉しそうに笑う彼の首にするりと手を回し、自分からも口付ける。
驚いた彼が息を呑む気配があったけれど、すぐに応えてくれる。
触れるだけの優しかったキスが深いものへと変わっていく。
拒まない。受け入れる。自分からも求める。
最初よりも暖かくなった彼の手がそっと服の中へと滑り込んできた。ビクッと肩が揺れ、思わず顔を離してしまう。
「……だめ?」
お預けを喰らった子犬みたいに首を傾げる彼があまりにも可愛くて、くすっと笑って彼の背中に手を回して抱き締める。
「…………ベット、行こ」
悟くんの耳が瞬時に真っ赤に染まった。
朝、ベットの上で目が覚めるとやけにニヤついている悟くんと目が合った。
寝顔を見られていたらしい。
「おはようA♡」
「おはよ」
挨拶の延長線、とでもいうように悟くんは私の髪を指に巻きつけて唇を落とした。
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ももか(プロフ) - 自分に引くほど、めっちゃニヤニヤしながら読んでました……最高すぎました!!これからも頑張ってください!!!!!! (2021年2月21日 20時) (レス) id: 962a75c0d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - あおいさん» 文章褒められるとめちゃくちゃ嬉しいですー!( ; ; )こちらこそ、お読みくださり本当にありがとうございました!! (2021年2月10日 17時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 語彙力の塊すぎて…素晴らしい作品をありがとうございました! (2021年2月8日 0時) (レス) id: c6e7ce5294 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» めっっちゃ面白かったなんて光栄です…(^^) 暖かいコメント嬉しいです!最後までお読みくださりありがとうございました! (2021年2月3日 15時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 輪廻@サブ垢なのだー!さん» 完結後もお会いできて嬉しいですー!( ; ; )暖かいお言葉を貰えて本当に嬉しかったです…!今次の作品を考えているところです。最後までお読みくださりありがとうございました! (2021年2月3日 15時) (レス) id: 4a1d1da0e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぅち | 作成日時:2021年1月26日 17時